「味わい」

 仏師さんに仏頭の型どりの過程を見せて頂きました。
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 鑿(のみ)と刀を10数回入れただけの荒い「半顔」の状態ですが、

 お地蔵様が浮き出て来るのが印象的でした。

 どんな風に立体を捉え、感じ、それを刻まれるのか?見ていたのですが、

 浮き上がって来るものを拝見する内、

 写実的な「立体感」や「様式」を越え、中に潜むものを観ておられるのだなと感じました。

 ひょっとすると、前回、見に行った仏像彫刻展の仏像は
 (「合気の心身研究会 2015/9/27」

 形式や彫る人の我が前面に出てしまっていたのかもしれません。

 当然、初心者は、まず、写実・様式を意識にならざるを得ません。

 ただ、「彫る」作業は「脱力」・「無心」・「俯瞰」である必要がある様で、

 そこを行ったり来たりする内、中に宿るものを感じる様になれるのかもしれません。

 人や木、仏の「味わい」!?...なんて感じています。

 その究極がIY君が紹介されていた「円空」さんなのかもしれません。

 一見、様式・写実的に観れば、そこを越えている様に思えますが、

 木に宿っているものの、ぎりぎりの所を、過不足なく彫っておられる気がします。

 そこに、円空さんの想いと

 像に身近に接して来た庶民の長年の愛着感や想いが詰まっているかの様です。

 そして、12万体彫られる内、円空さんご自身の「味わい」も増して行ったんでしょうね。

 感じる・観る・味わう...そんな事を愉しく感じた経験でした。

 何事も「体作り」と「見立て」、「純粋な想い」が大切(スタート)なんですね。
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       材質は「木」、形は「バナナ」、でも、ここに居られるのは確かに「観音様」


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 バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂
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by cute-qp | 2015-10-28 00:00

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 和の彫刻の基礎に「地紋彫り」と言うものがあります。

 仏像の装飾や台座などに用いられる連続した紋様を彫る作業です。

 それを上手く彫ることが目的ではなく、

 如何に刀を用い、刃を行きとどかせるかが目的です。

 しかし、地味な作業に加え、最初は、どうしても上手く彫ろうと頑張るので、

 心と体は力み、刀は進まず、木も言う事を聴いてくれません。

 そして、焦り...焦るほど、力みは増して息詰まり、終いに、手も痺れて動かなくなります。

 そんな...どうしようもない状況を諦めた時(諦めるしかなかった)、

 刀が語りかけるものや木に宿るもの、自分自身が浮き出て来ます。

 刀を柔らかく持ち、それに従うと、刃筋が観え、引きと攻めの中に滑る様に動きだします。

 手でなく、刀は肚と繋がり、心がどんどん澄んで来ます。

 だから「欲」や「隙」が出ると直ぐ刃筋に出るのがとっても可笑しいです。

 木は木目やその向かう方向を感じることで、柔らかな肌感で切れ、

 木曽檜であれば、切れ味に従い、芳しい香りを放ちます。

 その香りにリラックスと集中が深まって、ああ、これは、自分を彫って行く作業で、

 自分の延長線上に刀や木がある様だなと感じました。

 「地紋彫り」は、言い換えれば「自問彫り」!?

 高村光雲師の息子さんで、詩人で有名な光太郎さんも

 晩年まで「地紋彫り」をされていたそうです。

 それほどの「基礎」であり、「自問自答」なのだと思います。

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 今日のテーマ

  ・ 「呼吸の三要素」と「呼吸」、「骨盤時計」

  ・ 「呼吸の三要素」と「足の上げ方」、「外丹功」、「西江水での剣の上げ下げ」など

  ・ 「呼吸の三要素」と「膜連動」、「クレニオ」

  ・ 「呼吸の三要素」と「霊術」、「行法」など

 ここ5カ月、「肚」や「根っ子」を課題として来て、

 今回、基礎の中で最もベースとなる感覚や働きのひとつとして、

 「呼吸の三要素」に多面的に取り組んでみました。

 「地紋彫り」同様、

 「体作りの大切さ」や「感じ方やものの見方」を感じられる大切な稽古だと思い、

 また、そう感じて頂ける様、進行してみました。

 個人的には、日頃、先生から伺う、様々な言葉を随所に邂逅しながらの一日でした。

 何に気づかれるか?どの側面から感じられるか?は人それぞれですので、

 どうか、1ヶ月間「自問彫り」をお願いします。
 (それが「盲信」⇒「自信」、「自助」に繋げる作業だとつくづく思います。)

 勿論、私もコツコツ彫って行きます。

 来月は、3要素の復習から更に進めます。 

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 参考までに、大仏師 松久 朋琳 先生の「仏教彫刻のすすめ」
より引用・掲載 致します ⇓

 いよいよ仏像彫刻のイロハから始められるあなたに、これだけは忘れないでほしい、3ヵ
条を掲げておきます。

 彫りすすんでいくうち、きっと小刀を投げだしたくなる難所に、何べんもぶつかると思いま
すが、そういうときこの3ヵ条をもう1度ゆっくり読み直して下さい。

 1.基本を大切にする

 先を急がずにつねに基本に帰って、正しい小刀・ノミの扱い方を体得すること。小刀やノミ
がなた自身の手となり指となる、というところまでいかねばなりません。最初に取り組む地
紋彫りは、運刀法の基本となるものですから、先に進んだ人も暇があれば初心に帰って、
地紋を繰りかえし彫るようにして下さい。

 基本をおろそかにして気ままな運刀をすると、きっとケガをします。指を切ったり、膝を突
いたりするようなことは、最も恥ずべきことなのです。

 2.一にも根・二にも根

 木は正直もので、10日間かけたものは10口間だけのノミ痕しか残しません。 10日を20
日に見せかけるようなゴマ化しは絶対にきかないのです。木彫ほど根と辛抱のいるものは
ありません。

 わたしはアマチュアの人たちにも、無言でお手本を彫ってみせて、そのとおり彫れるまで
は何日かかろうが先に進むことを許さぬやり方をとっております。ひとつの段階を、少なく
とも10回は反復稽古すること。

 つまり、仏手を例にとるならば,左右の手を最低10個ずつは彫りなさい、ということです。
木彫には早道や抜け道などはありません。わたしのような鈍な人間でも、それを60年回繰
りかえしてきたおかげで、ようやくみなさんに教えられるところまで辿りつけたのです。

 仏像彫刻に秀才は不要です。 ドッシリと腰をすえて、他人の10倍の時間をかけてごら
んなさい。

 3.気ままをしない

 人間というものは慢心を起こしがちなもので、少しでも彫れるようになると、気ままにノミを
振りたくもなります。しかし、自由彫刻とちがって、仏像彫刻の場合、そんな勝手は許され
ません。お手本を正しく読みとって、一刀一刀、己れを無にして彫りすすんで下さい。

 仏像を彫るということは、自己が仏によみがえる道なのですから、あくまで気ままをせ
ず、謙虚な心でお手本どおりに進めて下さい。どうしても解けない疑問にぶつかったら、
遠慮なくご連絡ねがいます。あなたといっしょに、わたし自身も初心に帰って、その疑問
を克服していきたいと思っております。

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 バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂
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by cute-qp | 2015-10-26 00:00