カテゴリ:本・CD・映像のご紹介( 26 )

続"他人事"ではないお話

 以前、"他人事"ではないお話で2冊の本をご紹介致しましたが、当ブログをご覧頂い
ている方のお役に立てたとのお話を伺い、とても嬉しく想っております。

 実は、「他人事でなはないお話」は、これも以前ご紹介致しました、自分とどう付き合う
か? ①
でご紹介致しましたヨガの成瀬先生のお話とも深く結びついていると春風堂は
感じております。

 そこで、再度、その出典についてご紹介させて頂きます↓。
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                  ベッドの上でもできる実用介護ヨーガ
                  成瀬雅春 著/中央アート出版社

 通常、ヨガは難しいポーズや柔軟性をイメージしますが、本来的には、少しずつ自分の
できないことを「自己認識」し、「出来ること」から「可能性」を一歩一歩広げて行く「歩み」
で、その一端・一表現・一効果が「リハビリ」になると言えます。

 実際、「ハタヨガ」では「指を一本一本曲げる」と言う様なとてもシンプルな部分から丁寧
に「自己観察」、「自己形成」して行きます。
 残念ながら、それが日本や欧米で一般的でないのは「営業的方法・展開」でないからか
もしれません。

 同書は同時に、介護される人がどれだけ意識を働かせるかにも注目しており、様々な
練習やポーシングを行う際、常に自分自身を丁寧に観察し、意識を働かせ、「意識=モチ
ベーションを高め」て行けるか?を意識した作りになっています。

 また、自分が「介護する側」、「される側」どちらに立っても役立つ内容でポイントやイラス
トと分かり易く、とても他の本に比べるととっつき易い所に成瀬先生の凄さが伺えます。

 そして、時代が時代ですので、ただ「長生き」や「美容と健康」を「願う」のではなく、如何
に「自身の意識を活性し、広げて行くか?」が大切だと春風堂は想います。

 おまけにコチラもご紹介させて頂きます↓。
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               高齢者介護急変時対応マニュアル 完全図解 
           美濃良夫/編著 大田仁史/監修 三好春樹/監修 講談社

 先日ご紹介致しました「新しい介護 完全図解」の続編です。

 容態の急変時に「まず何をすればいいのか」、「してはいけないことは何か」等、
高齢者の「急変時対応」をまとめた緊急対応本。

 本書の発行の背景として、現在、高齢者介護施設で、突然具合の悪くなった
お年寄りへの対応が切実な問題となっており、特に当直・夜勤担当者のこうした
事態への不安は深刻...その反面、彼ら介護関連者が訓練・学習を受ける場は
ないに等しいと言う現状があります。

 但し、そう言った方々だけでなく、高齢化社会を迎え、私達自身が様々な場面
で「緊急対応」を迫られる時代になったと言えると私は思います。

(他、成瀬先生の関連記事)
 心身をつなげる ~ムドラーとは?~
 「楽しい捻挫話」
 身体の柔らかさ≠繋がり・バランスの良さ
 呼吸で"結界"を張る?
 一日一日を懸命に
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by cute-qp | 2009-02-02 00:00 | 本・CD・映像のご紹介

沈黙の泉

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 本日は『沈黙の泉』をご紹介致します。これは、師と弟子との間にかわされる218の対
話からなり、「教えを諭すためではなく、自らを悟りをひらくように」と意図されたものだそう
です。
 
 CHAPTER 1―奇跡,成人,感受,不条理,透明,宗教,霊聖 他
 CHAPTER 2―アイデンティティー,差別,オートメーション,崇拝 他
 CHAPTER 3―あるがまま,表現,発見,受容性,回心,因果 他
 CHAPTER 4―釣り合い,分離,変化,認識,看波,自立,免疫 他
 CHAPTER 5―思想,啓示,善特,罪,癒し,教養,信念 他
 CHAPTER 6―世評,偶像崇拝,栽培,移りゆき,擬似体験,秘宝 他
 CHAPTER 7―弱点,反対,無限,迫害,表裏一体,超越,悟り 他

 参考にその一節を引用・ご紹介いたします↓

 発見

 「神を見いだす手助けをしてください。」
 「そればかりは、だれも手を貸してやることはできない。」
 「なぜですか?」
 「魚が海を見いだすのに、だれも手助けできない。それとまったく同じことだ。」

 動き

 弟子たちは何かにつけて、先生に知恵のことばを所望した。
 すると、師は言った。「知恵とは、ことばに表れてくるようなものではない。むしろ
 行為のうちにおのずと姿を現してくるものだ。」
 ところが弟子たちが真っ先に活動に走ろうとする様子を見て、師は大声で笑った。
 「そんなのを行為とは呼ばない。それはただの動きというものだ。」

 意識

 「救いが得られるのは行いによるのですか?それとも黙想をとおしてですか。」
 「どちらでもない。救いは見ることによってやってくるのだ。」
 「見るって、何をです。」
 「どうしても欲しいと思っていた金の首飾りが、現に自分の首にぶらさがっている
 こと」また、恐れていた蛇が、実は地面に落ちているロープにすぎないことを見る
 のだ。

 無知

 ある若い弟子には並はずれた学問の才があった。それで全国から学生たちが助
 言を求めてやってきては、その学識に驚嘆した。
 あるとき、助言を探していた知事が師のところへやってきて、こう言った。
 「どうか本当のことを教えてください。あの若者は、世間で言われているほど学識
 があるのでしょうか?」
 「実のところを言うと」師は皮肉をこめて言った。
 「彼はまことによく本を読む。いったい物事を識る暇をどうやって見つけるのか、わ
 たしにもわからないほどだ。」

 散漫

 弟子たちの間に、激しい議論がもちあがった。次の3つのうち最も難しい仕事はど
 れか、という議論であった。
 すなわち、聖典として神が啓示されたことを書きとめること。
 次に聖典のうちに神が啓示されたことを理解すること。
 第3に、聖典を理解した後、ほかの人々にそれを説明することであった。
 師はそれについて見解を求められると、次のように答えた。
 「この3つの仕事よりもっと難しいのを私は知っている。」
 「何ですかそれは?」
 「おまえたちのようなマヌケどもに、現実をありのままに見させようとすることだ。」

 ↑などなど...最初、読んだ時、一種、シニカルな小咄に思えました(笑)。そして、キリ
スト教系の出版物としては大変珍しく、面白い本だと思います。

 著者紹介
 アントニー・デ・メロ(Anthony de Mello)
 1931年 ボンベイに生まれ。
 1947年 イエズス会に入会。
 1961年 司祭に叙階。
        スペインで哲学、アメリカで心理学を学び、インドに帰って東洋と西洋の
        霊性の統合、心理学とイグナチオ的霊性の統合を試み、プーナ市で
        司牧カウンセリング研究所「SADHANA(サダーナ)」を主宰。
        神父はこの研究所で祈りのセミナーを開催したり、インド国内ばかりでな
        く、各国に招かれ黙想指導、祈りのセミナーなどを中心に活動。
 1987年 ニューヨークで客死。

 主な邦訳著書:

 『心の泉』
 『蛙の祈り』 他
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by cute-qp | 2009-01-24 00:00 | 本・CD・映像のご紹介

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 今日は「前田 知洋」さんの著書を2冊ご紹介致します。

 前田さんはステージとは違い身近で観せるクロースアップ・マジックの第一人者。
 また、パーラー・マジック(サロン・マジック)もこなす「日本で最初のクロースアップ
・プロマジシャン」でいらっしゃいます。

 そのオリジナリティのある演出は日本のみならず、海外からの評価も非常に高く、 スタ
イリッシュな演技と安定したテクニックで演じられるマジックは、その個性と相まって非常
に知的で上品な楽しさと言う印象を与え、 国内外での受賞歴は多いです。

 先ずは、1冊目「知的な距離感」↓。
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 内容ですが...マジシャンにとって一番大切なことは、マジックのタネではなく、観客を喜
ばせ、観客に好かれること...そう言う著者が大切にしているのが絶妙な距離、間合いの
取り方と、空気を読む事です。

 自分にとっても、相手にとっても心地よい距離感の取り方、「プライベートエリア」につい
てマジシャンとして活躍する著者が、その洗練された動きに隠された秘密を明らかにされ
ています。

 2冊目は「人を動かす秘密のことば」↓。
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 前述が、マジシャンにとって一番大切な、絶妙な距離、間合いの取り方と空気を読む力
がテーマでしたがこちらのテーマは「ことば」。

 マジシャンにとって言葉は観客を魔法の世界へ連れて行くための重要なアシスタントで
もあり、時には、観客の気分を良くさせる為に、あるいはマジックの秘密を知られない為、
演技者としてのバックグラウンドや性格を知ってもらう為に言葉は使われ、なおかつ、観客
やクライアントと誠実な関係をつくらなければなりません。

 そんな観点から書かれた一冊。

 妙な心理学者が書いた「心理虎の巻」っぽい本より面白いです。

 人と人との様々なバランスや距離感を感じるのに面白い2冊だと思います。

 ちなみにこんなDVDも出ている様で...お小遣いを貯めて是非買おうと想っています。
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前田知洋(まえだともひろ)

 1988年、米国アカデミー・オブ・マジカル・アーツのオーディションに合格。
 ハリウッドのマジック・キャッスルなどに出演。
 帰国後、日本ではじめてのクロースアップ・マジシャンとして活躍し、
 近い距離で見せる「クロースアップ・マジック」のブームをつくる。
 ラスベガス、ハリウッド、イギリス、スペイン、ドイツなど海外にも招聘され、
 2005年にはチャールズ皇太子もメンバーである
 英国マジック・サークルの100周年記念祭特別ゲストに。
 同会の最高位であるゴールドスターメンバーを授与される。
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by cute-qp | 2009-01-23 00:00 | 本・CD・映像のご紹介

 昨夜の"書"のイメージと"呼吸"・"バランス"とお隣のブログの基本練習を受け、また以前
ご紹介致しましたキャラクター"丸論"と"センタリング"的な意図も加味しながら、今日は「北
斎の絵手本」をご紹介致します。
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 「北斎の絵手本 1」  永田生慈 監修解説 岩崎美術社 1986年6月発行

 北斎と言えば、皆様ご存じの浮世絵画の大家ですが、絵を楽しむ人の為に、「絵描き歌」
や「文字」、「図形」、「幾何学的」なバランスやラインを用いた、超おちゃめで素晴らしい本
です。
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 残念ながら、現在、書店では購入できませんが、古書店ではまだリーズナブルな価格
で手に入れる事が出来ます。

 一応、北斎の経歴など↓

 北斎は、宝暦10年(1760年)、江戸本所に生まれ、安永8年(1779年)、勝川春朗の画
号をもって浮世絵画壇に登場、以降約15年間、役者似顔絵、肉筆美人画の名手・勝川春
章の元、役者絵や美人画、戯作の挿絵などに専念します。

 後に、勝川派から離脱した北斎は、寛政6年(1794年)、俵屋宗理と号し、自らの個性を
自由に表現、特に美人画では、憂いを含んだ宗理様式と称される画風を完成し、狂歌絵本
や摺物に佳作を遺しました。

 寛政10年(1798年)、宗理の号を門人に譲った北斎は、北斎辰政と号し、以降どの画派
にも属することなく、独立の画業を全うしました。
 享和年間(1801~1803年)から洋風画の制作を試みた北斎は、文化年間(1804~18
18年)に至ると、長編小説の読本挿絵に筆を揮い、馬琴作「椿説弓張月」など近世文学に欠
くことのできない作品を数多く手がけています。
 この時期の肉筆画は、北斎の生涯中、美人など最も多くの風俗画を描いている点でも注
目されます。

 読本挿絵と肉筆画の分野に傾注した北斎は文化7年(1810年)、画号を戴斗と改め、文化
11年(1814年)「北斎漫画」初編を版行しました。
 これを期に北斎は、集中的に様々な内容の絵手本を発表しました。絵手本への傾注は、
人気の高さから私淑者や門人が多数存在していたことを窺わせます。

 文政3年(1820年)正月の摺物に、北斎は北斎改為一と署名しています。天保4年(1833
年)まで続く為一号の年代には、生涯のうち最も錦絵に傾注しました。
 「富嶽三十六景」、「諸国瀧廻り」、「千絵の海」、「詩歌写真鏡」など北斎の代表作とされる
風景版画や花鳥画などは、その大半がこの年代に刊行されたものです。

 この時期の肉筆画は寡作といえますが、独特な花鳥画に加え、美人画のほぼ最後を飾る
優品ぞろいの年代といえます。

 北斎75歳の天保5年(1834年)、風景絵本の傑作「富嶽百景」初編を上梓します。この書
中に画狂老人卍と署し、百有十歳までの長寿と、それに伴う作画への情熱を跋文で表明し
ています。

 北斎はこれ以降、木版画界では絵本や絵手本を除き、錦絵の分野から急速に遠ざかり、
最晩年の精力を、動植物や宗教的題材、あるいは和漢の故事古典に基づく歴史画や物語
絵など、肉筆画の分野に注ぎました。
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by cute-qp | 2009-01-20 00:00 | 本・CD・映像のご紹介

"他人事"ではないお話

 今日はコチラの本からご紹介致します↓。
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         福辺流 力のいらない介助術 福辺 節子 (著) 中央法規出版

 春風堂は「介護職」ではありませんが、治療においての姿勢の取り方と介護の共通性や
クライアントさんに色々な姿勢が取り辛い方もいらっしゃる事、何より、「他人事」ではないと
思いこの辺の資料も勉強しています。

 職業柄、皆様に出来る限り、健康に過ごして頂けるよう調整や誘導をさせて頂いておりま
すが、いち社会人として、「いずれ介護する」、「介護される」事を視野にいれ、今日は皆様
と一緒に介護についてみて行きたいと想いました。

 コチラは本文より抜粋です↓。

 「私は、理学療法士として20年以上リハビリテーションや介助の仕事に携わってきまし
た。と同時に。「左下腿切断」(左側の膝から下で下肢を切断)して義足をつけている障害
者です。
 年齢的に若くもなく、軽度とはいえ障害をもった私なのですが、今まで人を介助する場
面で不自由を感じたことはありません。
 力まかせの介助ができない私だからこそ、確信をもって言えることなのかもしれません
が、実は介助に力は必要ないのです。

 更にコチラは著者が主宰されている「もう一歩踏み出すための介護セミナー HP」
よりの引用です↓。

 このセミナーで伝えたいのは「介助される人が本来持っている力を引き出していく」介助
方法です。

 お年寄りやマヒを持った人が動けないのは筋力が弱いからではなく、動くための方向や
タイミングが誤っているから。

 この介助方法では介護する人間の力で、相手を動かすのではなく、 運動の方向やスピ
ードを誘導することによって、介護される人間が、自分で動けるように、助けていきます。

 介助される人の持っている力で動いてもらうのですから、 介助される側にも介助する側
にも、無理な動きや過剰な力は必要ありません。
       
 今までの、こちらがやってしまう介助方法では、 100万回体位交換しても、お年寄りに
自分で寝返ってもらうことはできません。
 でも、この介助をしていれば、介助は少ずつ少なくなって、ある日、気がついたら「自分
で寝返っていた!」になるはずです。

 [ お年寄りへの介助 ] [私たちの体の使い方 ]を通して、お年寄りが、障害を持った人が
、そして私たち自身が 、「どう生きるのか?」 をみんなで学んでいきたいと思います。

 (以下は、目次の一部です)

 第4章 福辺流介助術の基本

  1.持ち方・さわり方
    ① 相手を握らない
    ② 指先は使わない
    ③ ワンアクション加える
    ④ 持つ位置

  2.声かけ
    ① 動作のたびに声かけをする
    ② 介助の前に声かけをする
    ③ 伝わる声かけをする
    ④ すべての人に声かけをする

  3.動きの伝え方(動きをつくる)
    ① 体重の移動~上下・前後・左右へ~
    ② まっすぐ立ってもらう
    ③ 力を抜くとわかること
    ④ 動きを伝える
    ⑤ 自分の体の動きを知る
    ⑥ 足を踏み出す
    ⑦ 介助者の肢位

 ↑以上、引用終わり。

 (おまけ)としてコチラもご紹介致します↓。
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                       完全図解 新しい介護
                     大田 仁史, 三好 春樹 (著)

 K野さんから教えて頂いた本で、「介護」についての A to Z が幅広く、分かり易く
図解で掲載され、プロから素人までが使える良書だと思います(それに安い!)。

 「介護」と聞きますと、「何か直接まだ自分に関係ない」...と言う気もするか?と思い
ますが、現在「介護」と関係のない状況でも、いずれは誰しも「介護する・される」側に
立つ訳で、逆に、知っておくとなかなか便利な「身近な暮らしの知恵」になると言えま
す。

 そして、「介護される側」になった時点では「遅い」と言う事です。

 人は1人で生きられませんが...

 自分の健康は自己責任。
 自分の老後も自己責任。

 ちなみに、DVD版と言うのも出ている様です↓
 DVDのデモ版 → 「DVDブック 新しい介護」
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by cute-qp | 2009-01-18 00:00 | 本・CD・映像のご紹介

奇跡のリンゴ

 昨夜、「コンドロイチン」と「ヒアルロン」についてお話致しましたので、今日は少し、
視点を変えてお話したいと思います。

 カテゴリー「本のご紹介」では春風堂の主観ではありますが(笑)、印象的な
本をご紹介致します。本日はコチラです↓
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 奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録 石川 拓治 著 幻冬舎

 実は、「アダムとイブ」や「ウイリアム・テル」、「ニュートン」等の時代の「りんご」は渋く
て小さく、「林檎」と言う漢字から受ける「木の実」的存在で、「果物」としてはイマイチで
ありました。

 そんな「林檎」を古人が何代も長い期間を掛けて「美味しく」、「大きく」、「沢山」実る様
にしたのが今日、私達の食べている「リンゴ」です。

 しかしながら、動物園で育った動物の如く、今の「リンゴ」は病害虫に弱く、農薬なしで
は収穫量が10分の1になる程、「自生が難しい」・「人の手」が掛かる植物です。

 この「リンゴ」を「農薬に頼らず作る」事を本格的に、初めて成功させたのが木村さん
で、業界では「不可能を可能にした男」と呼ばれ、全国の農業生産者や消費者、研究
者までもが木村の畑を視察に来ています。

育てない手助けするだけ

 化学的に合成された農薬や肥料を一切使わない木村さんのりんごづくり...不可能
と言われた栽培を可能にした秘密は、畑にありました。
 木村さんの畑では、あえて雑草を伸び放題にし、畑をできるだけ自然の状態に近づ
けることで、害虫を食べる益虫も繁殖し、葉の表面にもさまざまな菌が生息すること
で、病気の発生も抑えられ、畑に「1つの生態系」を作り上げました。

 木村さんがやることは、人工的にりんごを育てるのではなく、りんごが本来持ってい
る生命力を引き出し、育ちやすい環境を整えることで、例えば、害虫の卵が増えすぎ
たと見れば手で取り、病気のまん延を防ぐためには酢を散布する。すべては、徹底し
た自然観察から生まれた手法でした。

主人公はりんご

 木村さんが農薬も肥料も使わない栽培を確立するまでには、長く壮絶な格闘があり
ました。かつて、奥様が農薬で皮膚がかぶれたことをきっかけに、木村さんは、農薬
を使わない栽培に挑戦し始めます。
 しかし、3年たっても4年たってもりんごは実らず、収入の無くなった木村さんは、出
稼ぎや畑の雑草で食いつなぐ程の極貧生活を送り、周囲から「かまどけし」と呼ばれ
、「白眼視」、「村八分」される状態になります。
 そして、6年目の夏...絶望した死を決意した木村さんは、ロープを片手に死に場所
を求めて岩木山を彷徨い、そこでふと目にしたドングリの木に栽培のヒントを見出し
ます。

 「なぜ山の木に害虫も病気も少ないのだろう?」...おもむろに、根本の土を掘りかえ
すと、手で掘り返せるほど柔らかく、この土を再現出来れば、りんごが実るのではな
いか?そう閃かれました。

 当初、木村さんは、病気や虫のせいでリンゴが弱ってしまったと考えておられたの
ですが、野にあるドングリの木も病気や虫の攻撃に晒されるはずなのに、それでも
元気なの何故か?...結局、農薬が無くとも、本来、植物は自分の身を守る事が出
来、「本来、それが自然な姿」...そう言う自然な強さを失っていたからリンゴが弱っ
てしまった事を発見。

 「自分のなすべきことは、その自然を取り戻してやること」と気付かれました。 

 そして、8年目の春、畑一面にりんごの花...それは豊かな実りを約束する、希望の
花でありました。

 私がとても感心したのは、木村さんのそのお考えで、「人間も同じ(リンゴと)」...「
一人お一人を丁寧に拝見し、皆様の心身の中に自然を取り戻すお手伝いをす
るのが私のお仕事なんだ」
と再確認致しました。

 同時に、リンゴと同じ様に、自分が「自生」するには何が必要か?痛切に感じま
した。

 そして、木村さんの「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う。一歩
ずつ、階段を登るように進んでいけば、必ず実りますよ」
と言うお言葉が印象的
でした。

 本書の著者の言葉を借りますと「人は生きていくために、経験や知識は欠かせない
。何かをなすためには、経験や知識を積み重ねる必要がある。だから経験や知識の
ない人を世の中ではバカと言う。けれど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁に
なるのはしばしばその経験や知識なのだ。木村はひとつ失敗するたびに、ひとつの
常識を捨てた。そうして無垢の心でリンゴの木を眺めることが出来るようになったの
だ。」...成る程なと思いました。

 そして...「死ぬくらいなら、その前に一回は、バカになってみたらいい」...その
言葉が強い励みとなっています(笑)。

 (参考)
 「呼吸が変わる 姿勢が変わる 生き方が変わる」
 「身体の声の聴く ~自律神経による治癒反応~」
 「神経訓練法としてのセンタリング呼吸法 」
 「先ずは自分が変わる」
 「身近な薬の正体」
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by cute-qp | 2008-08-11 00:00 | 本・CD・映像のご紹介