習慣を超え、体験に学ぶ ~神経訓練は脳に語りかける~

 昨夜の、「基本に立ち戻って ~神経訓練法の実際~」を受け、今日は「習慣を超え、
体験に学ぶ」と題し、「脳」について春風堂の考えをお話致します。

 唐突ですが、30歳を過ぎると物忘れも激しくなり、その理由(言い訳)として「脳の神経
細胞は、1日に10万個死滅するから!」なんて話を私達はよく致します。

 確かに、脳細胞の「死滅」は「事実」でありますが、「記憶力が減退する理由」としては
正確ではありません。

 良く我々の記憶力と比較されるのが「子供」の物覚えの速さですが、子供達の「脳」は
「まだ空っぽの書庫」であり、先ず、情報がどんどん入って行く段階である為、情報吸収
が早く、様々な経験を経て、ある程度、「書庫として充実した」私達の「脳」は、その情報
の「検索」や「整理」に必然的に時間が掛かると言う部分に差の実体があります。

 実際、私達が「あ、ド忘れ!」と言っても自分の中にはその明確な「情報」や「イメージ」
はあるので、情報自体が「消去」された訳ではありませんし、子供も「宿題」や「体操服」
などを良く「ド忘れ」していますね。

 それを「気にしていない」し、大人ほど「気にされない」所が子供の特徴です(笑)。

 ただ...子供と私達では「記憶」や「修得」の方式や形態が少し変わって行くのです。

 例えば、子供がチラ見で覚える事を我々は苦労します(笑)。

 しかし、自発的に「対象物を書き写したり」、「何回も動いてなぞる」などして、「丸覚
え」でなく、経験や工夫を通して覚えることで、大人は、より正確に物事を吸収出来る事
が分かっています。

 つまり、「体感に学ぶ」ファクターに「脳」がシフトして行くのです。

 実際、我々の脳は身体へ摂取する全エネルギー量の20~30%を消費しますが、
活動量は全体の2%程度に過ぎない存在で、子供の頃は「生きる」為に必要なベース
をとにかく「早急に吸収するに足りる脳」として、その「余力」が有効だったかもしれませ
んが、成長の後は、これを「効率的」に使える為、「消費電力型の運営」に移行して行く
と見ることが出来ます。

 また、「脳」は刻々と「情報を更新し、関連付け、整理する」基本機能があるので、
その為にも「手足を動かし、体験を通じて脳を使う」事が大脳全体から心身へ大きな
影響を与えると言えます。

 ここで、昨夜の「手足」のお話を図示した模型をご紹介致します↓
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      「ホムンクルス」3Dモデル(The Natural History Museum.London)

 これはカナダの脳神経外科医ペンフィールドの実験から有名になったモデルです
が、人間の身体を「神経細胞の量の分布の比率」を現したもので、モデル上、その
形態の大きい所は神経細胞も多く、その動きが脳の活動を発火する度合いも高い
事を示しています。

 昨夜お話致しました様に、先ず「口」、そして「手足」が大きいですね。

 従いまして、「神経訓練」や「介護」において、これらが非常に重要な「ファクター」で
ある事をお分かり頂けるか?と思います。

 さて、ここで再度、子供と私達の違いについて述べますと、子供にとって世界はと
ても好奇心に満ちたものでありますが、私達にとって、それは「マンネリ化」したもの
になっているのではないか?と感じます。

 つまり、自分自身に対しても「マンネリ化」し、「感心を失った」結果、「刺激」
や「体験」が急激に減り、「脳力が減退していっている」...それが根本的な「記
憶力や心身の減退」原因の1つではないか?と思うのです。


 だからこそ!「神経訓練法」は生涯を通じ、我々の心身に有効な「脳力開発」も
視野に入れているのです。
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by cute-qp | 2008-09-03 00:00