基本に立ち戻って ~神経訓練法の実際~

 先日、センタリング呼吸法の初級セミナーがありましたのでそのお話を少しさせて頂
きます。

 今回の様に(K野さんによる記事はコチラ→「基礎中の基礎を自分で試みてから」
「最初の最初」から立ち上げて行く取り組みは、私自身、「気持ちを新たに、基本を学び
直す」とか「自分のモチベーションコントロール」、「新たな学びへの切っ掛け作り」になり
誠にありがたいことだと感じております。

 さて...今回、K野さん工夫によるセミナーの取り組みは、私にとっては、非常に「神経
訓練法」的な側面を基本時から前面に押し出した、興味深いものでありました。

 セッションは、先ず、呼吸を軸に「手の平」や「足の裏」で畳を「なぞる」事より始まりま
した。

 以前、「神経訓練法が可能性を開く ~その基本原理~」で「足の平のセンサー」に
ついて少しお話を致しましたが、元々、動物が「重力」に対して自分を支える「最前線」と
なっているのが、これら「手足の平」です。
 そして、「重力」と「運動」との間で様々なバランスを取る為、私達の「手足の平」には沢
山のセンサーがあり、そこからの情報を「触覚」・「温度覚」・「位置覚」・「深部感覚」等とし
て、受け取り日々を過ごしています。

 如何せん、人間は他の動物の様に「嗅覚」等の脳の旧皮質的な機能が発達しなかった
反面、二足歩行によって新皮質が発達し、「手は歩行から解放され」、「足は逆に重力を
一手に引き受けた」事で、より繊細な感覚と運動を獲得しました。

 結果、人間の子供は頭が重く、産まれて暫くは二足歩行に対し、脊柱が未発達で、直ぐ
に自分で立つことは出来ませんが、「口」の触覚(食行動中心の触覚)に続き、様々なも
のに「手足で触れる」所から、運動に必要な高度な「平衡覚」や「重力感覚」、「連動感」を
脳にインプットし、身に付けて行く過程を採りました。

 丁度、その過程を「追体験」している感覚でしょうか?

 当初、初めての皆様は何故手や足をそうして動かすのか?分かりません。その状況
は本当に「赤ちゃん」と同じ立場です。

 その「非日常的な体験」の中、私共が「呼吸」や「動作の流れ」を補足、補正させて頂き
ながら、共に皆様の「神経」や「感覚」に働き掛ける事で、「脳」や「神経」に「あるべき姿に
補正しよう」と言う「平衡欲求」が生じ、それが「心地よい感覚」を伴って皆様の「動きの変
化」や「回復・改善」として発露致します。

 その「変化」や「感覚」を手掛かりに、様々な「体位」や「条件」を加えてセッションは展開
されます。

 例えば、先ず、「左半身」と決めましたら、暫時、「左」のみの動作に取り組みます。そし
て、左半身を通じて「感覚が開かれた時」...「右半身」に取り組むとあら不思議!...簡単
に出来てしまったりします。

 「左半身」を通じ、「脳」の神経訓練が1つクリア出来たからです。

 よって、状況にも寄りますが、私の担当させて頂いた方には「やり易い方」からやって
頂きました。

 何故なら、感覚が開き易い方向から「神経回路を開き」、その「感覚」を生かして「やり
辛い方」を補足する意味と、「動き易い」部分から運動を誘導・改善し、私達の神経活動
(全身のバランス)の改善に弾みをつけようとの狙です。

 また、補正やご指摘を通じながら、畳のヘリや視線を決めて頂き、「習慣」と言う「自己
基準」の見直しや改善も行って頂きました。
 その方が、場合によっては、「触っている実感が増し」、「自分自身の立ち居振る舞い
もご自身で観照して頂き易い」利点があるからです。

 合わせて、「スキャニング」の時間も「スキャニング」はニュートラルな視座」を受けて
出来るだけ取らせて頂きました。
 この事で「自分の変化への認識」や「次の変化に向かっての現状把握」、「神経訓練
の安定化(安静にする事で心身への刺激を減らし、大切な情報・刺激を脳へ定着)」
が図って頂けます。

 ちなみに、各動作に対してのK野さんの模範動作の際、直ぐに真似をしようとされる方
には、先ず、「しっかり見て頂く」事をお願い致しました。

 何故ならば、出来るだけ「自分の経験や習慣からの推測」で動くのではなく、「模範
動作」を「手足」同様、「ご自身の目で!なぞって」動いて頂きたいからです(目も「触覚」
になり得ると春風堂は考えます)。

 総じて、私としては今までの反省もあり、殆ど「説明」はしないで、「神経訓練」のお手
伝いに徹した感があります。
 その事で、自然にあるべき変化が皆様の中から導き出され、その後、必要最小限の
「説明」や「ヒント」が私の「相づち」や「笑い話」として出て来ている感じでした。

 勿論、たった1回で皆様が数年掛けて築いた「習慣」が改善される訳ではございませ
んが、「変われるんだ!」と言う「変化」と「意識」、「実感」が「神(シン:目力とでも言って
おきましょうか?)」に現れていたのが誠に印象的でした。

 次回、いつこの様な機会が持てるか?未定ですが、それに向けて一歩一歩楽しみ
ながら進ませて頂きます(業務連絡:K野先生。次回は必ず!3人で「ナン」までお付き
合い致します:笑)。

 最後に、毎度ながらにひつこい様ですが、今までに掲載致しました、春風堂の考える
「神経訓練法」についてをコチラ↓に総集し、添付させて頂きます。

(参考)
 「呼吸が変わる 姿勢が変わる 生き方が変わる」
 「身体の声の聴く ~自律神経による治癒反応~」
 「先ずは自分が変わる」
 「神経訓練法としてのセンタリング呼吸法 」
 「相対神経訓練法 ~治療や介護から日常へ向かって~」
 「夢の途中 08/08/23」
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by cute-qp | 2008-09-02 00:00