神経訓練法が可能性を開く ~その基本原理~

 この8/31(日)に春風堂の先生であるK野師の「センタリング呼吸法・初級セミナー」
が開催されます(申し込みは締め切られております)。

 それを受けまして、以前の記事を脚注に添付し(参考)、今日は、春風堂が「調整」や
「ボディーワーク」のベースとしている「神経訓練法」の基本的な原理についてお話した
いと思います。

 さて...私達は生まれながらに「呼吸」・「消化」・「循環」・「代謝」と言ったあらゆる機能
を持っており、構造的にも「重力」に対応出来る様に出来ています。
 また、「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「味覚」・「触覚」と言ったセンサーが皮膚や筋肉など
の「感覚器」として存在し、自分と外部の関連性を脳に伝えてくれます。
 そして、それらは絶妙な神経の機能により、私達は一定のバランスを保ちながら統合
・管理されて生きています。

 例えば、私達の足の裏には七千余りのセンサーがあり、歩く度に地面が硬さや平衡
、摩擦などを伝えてくれてます。
 これらのテータが自動的に脳で処理され、内耳の平衡中枢へ送られ、身体はその状
況に応じて微調整されます。

 この様に、身体は無意識のうちに何度も微妙な調整を行い、バランスの平衡を保っ
ています。

 そして、人間がこのバランス機能を習得するのは生後9~18カ月頃...赤ちゃんは、
腕を伸ばし、這い、転がり、身体の協調性と骨格の支持性を体感して立ち上がり、続け
て、歩き、走り、跳びながらバランスの取り方を覚えて、それを無意識な「習慣」や「能力」
として修得して行きます。

 その「プロセスの差」によって、「上手・下手」が出来、ある人は「スポーツ」に、ある人は
「芸術」等にその能力を見出します。
 しかし、その大半の人間は自分の中に眠る可能性に気付かず、それを「他人事」として
見る側に甘んじています。

 勿論、「身長の高い低い」や「体重の軽重」などが前提条件として影響しますが、「心身
のバランスを保ち、協調させる」事に差はありません。

 ただ、ご自身が「自分」になるプロセスに「差」があったのです

 例えば、子供が何かに取り組む時、「こうすれば愉しい、嬉しい」...その繰り返しの
「パターン」が「自分のなりの方法、習慣、イメージ」を作り上げ、最終的に「自分」と言う
存在が作り上げられて行きます。

 更に、そこに外的要因(社会環境、文化、経験、ケガ、トラウマ)等が不可され、心と身
体のイメージや姿勢が不可・形成され、例えば、物理的に、赤ちゃんの頃にはなかった
「側彎」や「猫背」などを産む原因にもなります。

 これは、身体的にはバランス・協調させ、「より効率的に動かす術」を、心理的
には「自分を見詰め改善する術」を学べなかったことが大きな原因だと思われます。


 現に、発展途上国においては人力に頼る部分の多さが、機械やコンピューターによっ
ての「身体能力」や「創意工夫」の去勢を防いでいますし、アスリートなどは、自らの運
動の質を高める為に日々、自らの心身の精度を高めています。

 対して、普段、私達はこの様な「意識」や「目的」の「必要性」や「重要性」を自己
認識していません。

 更に、私達が「無意識化」させてしまった「重力」という絶え間ない「負荷」は、
私達を押し潰し、身体を歪め、健康状態に悪影響を及ぼしています。


 従いまして、車をメンテナンスする様に、私達は自分の身体や習慣をメンテナ
ンスする必要があります。
 もし、それを怠りますと、体調が悪くなるだけでなく、無意識に「悪習慣」や
「消耗」が進み、私達の「寿命」を縮める事になります。
 恐ろしいのは、「習慣」と言うのは「オートマティック機能」なので、その分、より
良い方法を考えたり・工夫する意識や行動、好奇心を産みません。


 そんな自分を認識し、改善する迄に至っていないのが私達の現状です。

 従いまして、逆に、身近な自分を知ることは自分の「可能性を広げる」事に繋がり
、大きな喜びや好奇心に繋がります。

 その可能性をキーとなるのが、私達を管理している「神経」です。

 脳自身が殆ど使われていない様に、「習慣」の裏に隠れた「神経」の活躍の場は
沢山あり、その「学習能力」が私達の認識している可能性を広げます。

 つまり、私達が生きている間、「限界は広がり続ける」のです。

 従いまして、赤ちゃんの頃に持っていた機能を再び、「意識的に」目覚めさせる
こと
が大切なのです。

 具体的には、「バランス機能に影響を与える」ことで、姿勢や身体の使い方はも
とより、心身に、その影響が及びます。


 例えば、いつもの「立ち居振る舞い」を超スローペースにしたり、「非日常的な動き」
に挑戦する事で、脳に「刺激」と「変化」、「イメージ」、「想像力」、「重力感覚」等を与え
、私達の制御システムを「再プログラミング」・「再編成」するのです。

 その基礎として、人間の基本機能と呼べる「呼吸」を「運動」の起点とし、脳や神経
への「細やかな語りかけ(小さな変動・低刺激)」をしながら心身の機能が高め
る事で、私達の可能性が広がります。

 この時、「大きな動き」や「刺激の強い動き」は控えます。何故なら、「習慣」を超える為
には、無意識に習慣化した動きを発見し、観察する必要があり、より精密な再プログラミ
ングを行う為には絶対であるからです。

 また、そうした動きは「副交感神経優位」の「調和した」動きとなり為、より良い行動パタ
ーンを神経回路に覚えさせる事にもなります。

 こうして「呼吸が変わる 姿勢が変わる 生き方が変わる」方法が「神経訓練法」
です。

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 (参考)
 「呼吸が変わる 姿勢が変わる 生き方が変わる」
 「身体の声の聴く ~自律神経による治癒反応~」
 「神経訓練法としてのセンタリング呼吸法 」
 「相対神経訓練法 ~治療や介護から日常へ向かって~」
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by cute-qp | 2008-08-28 00:00