「音楽と心、音楽と身体」 ~ピレシュ先生の音の秘密~

 今日は私の大好きなピアニストMARIA JOaO PIRES(マリア・ジョアン・ピレシュ:
1944年ポルトガルのリスボン生まれのピアニスト)についてご紹介致します。
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 7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲を弾き、9歳でポルトガルの『若き音楽賞』を受
賞するなど、早くから注目され、70年にはベートーヴェン生誕200年記念コンクール
で優勝し、国際的名声を得、「モーツァルト弾き」として有名。 
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      モーツァルト生誕250年記念BOX モーツァルト:ピアノソナタ全集

 ソロ活動と共に室内楽も積極的に行なっており、その演奏は作品と親密に対話し
つつ、自発性に富む表現を散りばめ、細部まで美しく練りあげたものとなっていま
す。
 手の怪我等で休養をした時期もありましたが、後年復活。感情豊かな演奏は今
も健在です。

 そして...この8/23~12/13まで、彼女のレッスンが定期的に放映される事も
あり、彼女の「ヒミツ!とドリョク!」に迫ってみます。

 以下は、スーパーレッスン 巨匠ピレシュのワークショップより引用致します↓。

 ピレシュさんに、彼女の持つピアノの音色について聞いたことがあります。彼女
自身によれば、ピアノに興味を持った時点での体験が答えだと感じているようです。
 彼女がグランド・ピアノの鍵盤に触り、弾き始めたのは3歳頃のことで、その頃は
鍵盤の押し方、弾き方で変わるピアノの音色に魅了されたそうです。一人で、鍵盤
の押さえ方や鍵盤を弾く速さを変えたり、強い音やごく弱い音を出してピアノの音色
が様々に変化するのを楽しんでいたそうです。
 また、グランド・ピアノの左側のペダル(シフトペダル)を必死の思いで(なにせ3歳
の幼児)様々に踏んで音を出し、音色の変化に耳を傾けたのだそうです。

 (中略)

 「左手の音を出すタイミングが遅れない」のは何故かと聞いたのですが(中略)
「私のフォルテ、ピアニッシモも鍵盤に指が触れてから底に至るまでのスピード
で出しているものね」。

 (中略)

 ピレシュさんは、背丈は160㎝に満たず、手もとても小さいのです。(中略)
この秘訣は先に述べた弾き方ともう一つは身体の使い方にあります。腰から
上の状態はなるべくリラックスし、演奏の支点は腰、両足はペダルに集中し、
決して床を踏みしめない。おなかとピアノの間に宇宙を(エネルギーを集中させ
る場所)常に感じて演奏することなのです。

 (中略)

 「私のピアノの指使いは、手の小さな私専用で、楽譜に書いてある指使いと
は違うのよ」
 「結構な努力をして(腕、指の横の移動、ペダルの使い方など)ここに至って
いるのよ」

 ↑以上、引用終わり。そんな、彼女のレッスン風景を再度引用・ご紹介致しま
す。
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 スカルラッティのソナタを演奏するシルビアに筋肉の入れ方を教えるピレシュ。
「力の抜き方」だけでなく「力の入れ方」を教えていた。
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 演奏中ずっと口元を動かしているあるトゥール。左肩も上がっています。
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 演奏するために必要な腹筋を意識して、左肩と口に集中が意識しないようにしま
しょう。両脇を閉じると左肩が上がり口も動き出すので、両脇に空気を挟む様にし
て、無理に力を入れず、両ひじを自然に上げて身体につかないようにしましょう。
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 ピアノに鍵盤の上に額をつけるように前かがみになり、ゆっくり上体を起こしなが
ら頭・首を脱力して、頭を背より後ろに反らせる光(のけぞる姿勢)と影(前かがみ
の姿勢)の体操です。腰のあたりを強く意識して、痛くないところまで反ってみまし
ょう。深呼吸して肩の力を完全に抜いてから演奏しましょう。
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 演奏中に誰かに肩をふれてもらってもよいでしょう。
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 ルーカスの場合。モーツアルトはまるで手の平を上に向けているような気持ちで
演奏すると軽い音になります。ソフトペダルに頼らずに弾きましょう。
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 ピアノの鍵盤を見ないで上体を反らして脱力して弾きましょう。
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 「ピレシュの身体全体の意識を高める体操」...足を肩幅に開いて立ち、上体を脱
力させて両ひざを軽く曲げ、かかとを少し浮かせます。この状態で頭を出来るだけ
後ろに反らせて前後に歩いてみましょう。できない人はしゃがんだ姿勢でかかとを
上げ、頭だけ後ろに反らせて見ましょう。

 ↑以上、引用終わり。一流でもここまで「身体」について分かっている人は多分
そうそう他にはいないと思います。

 私事ではございますが...春風堂も小さい頃からピアノが習いたかったのですが
、ピアノが買えなかった事と(笑)、「手が小さい」との理由で習うことが出来ません
でした。

 しかし、ピレシュ先生のお話をお聞きすると、私でも、努力や工夫次第で「アマチ
ュア」として楽しむ位は出来そうだと嬉しく思いました。

 一方で、日本において、芸術や演劇、スポーツはまだまだ「文化」としての底が
浅く、それを支える背景や基盤も脆弱な為、皆さん色々な意味で苦労されている
と思います。
 春風堂としては、身体と心の面でそう言った方々のお手伝いやご助力を
行っております。

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by cute-qp | 2008-08-21 00:00