奇跡のリンゴ

 昨夜、「コンドロイチン」と「ヒアルロン」についてお話致しましたので、今日は少し、
視点を変えてお話したいと思います。

 カテゴリー「本のご紹介」では春風堂の主観ではありますが(笑)、印象的な
本をご紹介致します。本日はコチラです↓
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 奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録 石川 拓治 著 幻冬舎

 実は、「アダムとイブ」や「ウイリアム・テル」、「ニュートン」等の時代の「りんご」は渋く
て小さく、「林檎」と言う漢字から受ける「木の実」的存在で、「果物」としてはイマイチで
ありました。

 そんな「林檎」を古人が何代も長い期間を掛けて「美味しく」、「大きく」、「沢山」実る様
にしたのが今日、私達の食べている「リンゴ」です。

 しかしながら、動物園で育った動物の如く、今の「リンゴ」は病害虫に弱く、農薬なしで
は収穫量が10分の1になる程、「自生が難しい」・「人の手」が掛かる植物です。

 この「リンゴ」を「農薬に頼らず作る」事を本格的に、初めて成功させたのが木村さん
で、業界では「不可能を可能にした男」と呼ばれ、全国の農業生産者や消費者、研究
者までもが木村の畑を視察に来ています。

育てない手助けするだけ

 化学的に合成された農薬や肥料を一切使わない木村さんのりんごづくり...不可能
と言われた栽培を可能にした秘密は、畑にありました。
 木村さんの畑では、あえて雑草を伸び放題にし、畑をできるだけ自然の状態に近づ
けることで、害虫を食べる益虫も繁殖し、葉の表面にもさまざまな菌が生息すること
で、病気の発生も抑えられ、畑に「1つの生態系」を作り上げました。

 木村さんがやることは、人工的にりんごを育てるのではなく、りんごが本来持ってい
る生命力を引き出し、育ちやすい環境を整えることで、例えば、害虫の卵が増えすぎ
たと見れば手で取り、病気のまん延を防ぐためには酢を散布する。すべては、徹底し
た自然観察から生まれた手法でした。

主人公はりんご

 木村さんが農薬も肥料も使わない栽培を確立するまでには、長く壮絶な格闘があり
ました。かつて、奥様が農薬で皮膚がかぶれたことをきっかけに、木村さんは、農薬
を使わない栽培に挑戦し始めます。
 しかし、3年たっても4年たってもりんごは実らず、収入の無くなった木村さんは、出
稼ぎや畑の雑草で食いつなぐ程の極貧生活を送り、周囲から「かまどけし」と呼ばれ
、「白眼視」、「村八分」される状態になります。
 そして、6年目の夏...絶望した死を決意した木村さんは、ロープを片手に死に場所
を求めて岩木山を彷徨い、そこでふと目にしたドングリの木に栽培のヒントを見出し
ます。

 「なぜ山の木に害虫も病気も少ないのだろう?」...おもむろに、根本の土を掘りかえ
すと、手で掘り返せるほど柔らかく、この土を再現出来れば、りんごが実るのではな
いか?そう閃かれました。

 当初、木村さんは、病気や虫のせいでリンゴが弱ってしまったと考えておられたの
ですが、野にあるドングリの木も病気や虫の攻撃に晒されるはずなのに、それでも
元気なの何故か?...結局、農薬が無くとも、本来、植物は自分の身を守る事が出
来、「本来、それが自然な姿」...そう言う自然な強さを失っていたからリンゴが弱っ
てしまった事を発見。

 「自分のなすべきことは、その自然を取り戻してやること」と気付かれました。 

 そして、8年目の春、畑一面にりんごの花...それは豊かな実りを約束する、希望の
花でありました。

 私がとても感心したのは、木村さんのそのお考えで、「人間も同じ(リンゴと)」...「
一人お一人を丁寧に拝見し、皆様の心身の中に自然を取り戻すお手伝いをす
るのが私のお仕事なんだ」
と再確認致しました。

 同時に、リンゴと同じ様に、自分が「自生」するには何が必要か?痛切に感じま
した。

 そして、木村さんの「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う。一歩
ずつ、階段を登るように進んでいけば、必ず実りますよ」
と言うお言葉が印象的
でした。

 本書の著者の言葉を借りますと「人は生きていくために、経験や知識は欠かせない
。何かをなすためには、経験や知識を積み重ねる必要がある。だから経験や知識の
ない人を世の中ではバカと言う。けれど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁に
なるのはしばしばその経験や知識なのだ。木村はひとつ失敗するたびに、ひとつの
常識を捨てた。そうして無垢の心でリンゴの木を眺めることが出来るようになったの
だ。」...成る程なと思いました。

 そして...「死ぬくらいなら、その前に一回は、バカになってみたらいい」...その
言葉が強い励みとなっています(笑)。

 (参考)
 「呼吸が変わる 姿勢が変わる 生き方が変わる」
 「身体の声の聴く ~自律神経による治癒反応~」
 「神経訓練法としてのセンタリング呼吸法 」
 「先ずは自分が変わる」
 「身近な薬の正体」
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by cute-qp | 2008-08-11 00:00 | 本・CD・映像のご紹介