ヒポクラテス 「ヒポクラテス全集」より

 昨夜の「奇跡のリンゴ」を受けて、今日は「西洋の智慧」をから拝読して行きたいと
思います。引用は「ヒポクラテス全集」からです↓

 病気を引き起こす原因は「変化」である。

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 人間が病気になるのも、自分自身を修復するのも自然の働きであり、病気を
治すのは患者自身が本来持っている自然治癒力である。

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 一日の生活の「リズムと規則性」のバランスを確立することによって、対立関係
にある体機能の均衡をはかることが大切である。

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 病気は超自然の力によってではなく、自然の力によって生じる。たとえば、悪霊
や気まぐれな神々の怒りによってではなく、蜃慌や食生活の急激な変化によって
生じる。健康とは、体と心を含む内的な力と外的な力の調和的バランス状態を表
現したものである。

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 人間と自然とは切り離せないもので、人間が自然界のなかで生きていく以上、
そこには一定の法則が存在する。人間の体は、温め、冷やし、乾かし、湿らせる
という複数の働きにより構成されている。その相互のバランスが崩れたときに、さ
まざまな病気が生じる。また、自然界における生命の誕生について考えると、同
類で異なる性質を持っているものが互いに交わらなければ「生まれる」ことは不
可能である。そして、両者は互いがほどよく対等の状態にないならば、生まれる
ことは起こらない。

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 人間は健康こそが最も価値があるものと考え、病気のときには自分自身の考
えによって体のためになる方法を見出さなければならない。

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 外的な要因だけでなく、悲しみや怒り、神経を使う仕事、苦労を堪え忍ばなけ
ればならない事情など、心や精神の状態も大きな問題である。

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 誰もが自分に合った健康維持法を実行しなさい。そうしなくて病気になった患
者に対しては、医師は生活する人間として扱い、相互の信頼関係のもとで、患
者も医師と同じ熱意で病気と闘いなさい。それが本来の医療の姿である。

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 人間の体には、血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁があり、これらがバランスよく混ざ
り合った状態が最も健康な状態である。一方、これらの体液が多すぎたり少なす
ぎたり、あるいは1カ所に溜まった状態が病気であり、そこにさまざまな疾病や
痛みなどの症状が生ずる。

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 本来の医療とは、病名をつけることが重要なのではなく、その病状に合わせて
いかに治療するかが大切である。病気の診断をわずかな症状の違いごとに区別
していたら、病気の数は数え切れなくなる。病気の名前の多さは、単に病気の症
状の多様性を示すだけだと考えたほうがよい。

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 患者の体から発する信号を注意深く聞け。

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 およそ人間が何であるかを知らないものは医術を知ることができない。人間を
正しく治療しようとするものは、これをしっかり知っていなければならない。

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 人体は疾病に対して自然に回復する。医師はその回復する自然の力を補佐
するのが天命である。

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 医術とは、病気による痛みや苦痛を取り除き、病気の勢いを鎮め、病気に負け
た人を救うこと。そして、医師とは、医療者としてふさわしい資質を備えたうえで
実地の経験を積み、医術の知識を自分のものとするために、さらに厳しい修業を
積んだ者にのみ与えられる資格である。

 ↑以上、引用終わり。

 前回、「ヒポクラテスとガレノス ~科学と倫理~」でもご紹介致しました「ヒポク
ラテス」の考えの一部をご紹介致しました。

 彼とその弟子が病気の原因やその治療法のみならず、予防法、医師の資質や
行動指針について述べたのがこの本です。

 そんな彼は医学に大きな影響を与えましたが、その後、西洋医学は「アロパシー」
に基づく注射や投薬、手術が多用されるようになり、「病気の本質的な原因」や「自
己治癒力」を忘れてしまいました。
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               現代医学と自然医学の流れ(西洋医学)
          中島文保:著 「ヒポクラテスが教える癒す力50」より引用

 しかしながら、近年、「根治治療」を目指す「自然医学」や「補完代替医療」が再び
見直され、紀元前の智慧が今に生きていると言えます。
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by cute-qp | 2008-08-12 00:00