「紐呼吸法検証録①」

 長堀教室、並びに、復習、患者さんとのセッションを通じて、

(準備)
 用意する紐 「長さ0.9~1m」 「肩幅・腿幅サイズを目安」
                     それ以上以下だと緊張を産んだりする。
         「金剛編み」 柔らかく緩みを取ることに適している
         「径6~8mm」 細すぎると力みや痛み、
                   方向性の誤りに繋がり易い。

 椅   子  股関節の硬さにもよるが個々人が
         「ハッキンでの離陸(立ち上がり)」を意識し易い高さ。

 意識する点 

   紐(道具)を使った癖の自覚と補正。
   紐による張り感をガイドに「呼吸と脱力(重力)感」でセンタリング
   とOリング。
   大前提は「吸う・保息・緩める⇔伸びる・吐く」の検証と実践
   中でも「緩むと伸びる」と言うポイントは難しく、縮め固め易い。
   そこで、紐の張力と張力感、それを利用した、
   必要な緊張・固定点・張力を作る事を体験する。

 紐を使って呼吸してみる

  ① シンプルに、紐のある時、ない時の呼吸と身体。
  ② 紐の張り方を科学する。
     紐「ゆるゆる」、「がちがち」、「なじむ張り」での運動と感覚を区別。
  ③ 条件の違いで呼吸や身体(仙腸関節や背骨、頸)がどう変化する?

 太腿

  ① 座り方と呼吸

   紐のセッティングする前、座り方の位置や重心での差を検証。
   「恥骨を挟む」を検証…重心位置や胸の開き等との関わり。
   逆に「恥骨を挟まず、広げる」とどうなるか?

  ② 紐のセッティング位置と呼吸・脱力の変化?

   膝近く・太腿中央・そ頚部近くの区別と恥骨寄せの連携など。
   セッティングで身体の有り様が変わる不思議さ。
   特に、下半身の張力は全身に大きく影響する。
   使うのは「太腿」は「ハッキン」?それがどう影響するか?
   「恥骨を挟み」、腿中央を広げて呼吸が入るポジショニング位置。
    (後の「離陸姿勢」に繋がる位置と意識)

  ③ 足首の使い方と足を置く位置のセッティング

    紐があっても足首のセッティングが不味いと呼吸が入らないし、
    脱力出来ない。当然、張力も出ない。
    足の指も当然固まって行く。
    足元は重力が最も掛かる位置でマヒし易く、意識が飛び易い。
    区別、意識付け、検証することで、自分のまずさに気付く。

  ④ 紐の張り方と離陸立ち上がり

    勢いや力み(頸をすくめる、脚力を使う)でなく、張力を使う。
    横の張力(紐)を使い、縦(頸から仙骨、ハッキン)の張力を感じる。
    帆に対する帆柱、掛け軸を掛けるフックがあって初めて、
    それらは柔らかく、伸び伸びと揺らめく。
    煙がたなびく様な立ちあがり(小笠原流)。
    両方の関係や重要性と縦の精度を感じて行く。
    倒れ込みで重心移動し、中腰で制止できる離陸(スキージャンプ)。

  ⑤ 片足ずつ足を浮かす

    頭とのバランス、吊るしでの足の浮かし方。
    緩み・伸びる為の固定点や張力の作り方の学習。
    座位での足の上げ方を科学。

 手首

  ① 紐の張り方と呼吸

    太腿を踏まえ、同時に、手首で紐と「なじむ」
    下半身上半身の張りを意識する事で「一体感」が増す。
    それに伴う、呼吸の豊かさや動く可能性の広さ。

  ② 背屈・底屈・尺屈・橈屈での呼吸・脱力の変化
 
    手首の状態1つで身体と意識が変わる事を呼吸から感じてみる。
    自分の日常の手の使い方と照らし合わせイメージしてみる。
    手首の使い方が、「頸」や「肚」にどう影響するだろう。

  ③ 掌上・掌下・掌見合わせ

    「張る」組み合わせ方や運動の方向で益々、変化がある。
    実生活の「持つ」・「運ぶ」などにシンクロさせてイメージしてみる。

  ④ 親指の状態と身体と呼吸

    親指が固まり、曲がると緩みを取っていても身体と呼吸が詰まる。
    親指は「肚」と繋がる(他4指の役割)。


  ⑤ ボールの様に均等に膨み・変化するだろうか?

    呼吸の入り方、若しくは、その状況を鏡で観察し
    、自分の呼吸の仕方を観察して行く。
    紐の結び目やクロス状態で癖が露わになる所を注目。
    紐を「箍」と見立て、それをガイドに呼吸を補正。

  ⑥ 手の張力が繋ぐもの

    手の張力を改善して行くと全身の張力が増して行くのを感じる。
    それが、呼吸や体の状態を改善させている事に気付きたい。

 二の腕

  ① 紐のセッティング位置と呼吸・脱力の変化
      (肘頭後・二頭筋・三角筋前)

  ② 肘の張り方を工夫して、剣振り風サイクリック

     剣でのサイクリックのチェックになる。
     「疾雷刀」との共通点⇔身体の伸び方が変わる。

  ③ 手・肘・肩の位置関係と脱力

    張りを使っても、各部位のバランスで固まったりする。
    「肩の力が抜ける」とは実際どんな感じなのか? 
    試しに肘を肩より少し高くしてみる。
    他、頸、L5、肋骨などがどう関わって来るか?

  ④ 緩みを取ったまま、両手を股関節で動かす。

    「戦車」でなく、「自走砲」(旋回砲塔がなくキャタピラで照準)
    上半身で動かず、下半身(キャタピラ)で操作。
    
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              自走砲 ヤークトパンター

    剣の身勢や立替と繋がる。
    手無体操との連想

  ⑤ 緩みを取りつつ捻りを加える

    立体的に張力を保つ難しさ。
    紐の捻れ方と身体の不一致を観察する。
    頭の位置と体幹を保てることが大事。

 指と呼吸

  ① 指を取り巻く状況

    拳骨・開掌・朝顔の比較
    指だけでなく、拇指球・小指球を使うこと。「労宮」とのバランス。
    指先を使い、関節を鷲爪にする影響。
    掴んでも、開いても、手に「箍」と「張り」がある有り様。

 ② 弾く手の検証

    親指と他4指を使って、「箍」を作る→「弾く寸前」その影響。
    「あくびを止める」との共通点。
    どの指で弾くと呼吸も弾けるか?
    仏様の手に固まったり、お化けはない。

  ③ あやとりの「橋」の状態を使って

    紐を指に掛ける位置(先・真中・根元)
    親指の小指ともう一指のバランス
    真中に通す指を代えて行く。その特徴
    指のどの部位を使い、意識して張るか?
    指と手首の決め、肋骨への位置取り、
    肘の張りがどう全身に影響するか?

  ④ 指のバランスと全身の張力の協調

    白猿献花で捻る・両親指に掛ける(その方向の別)

  ⑤ 紐を使った合気以前椅子編

    縦の張り(ハッキンから頸への張力)の重要性
    横の張りを加え、立体的な張力(十字勁)になる。
    アメーバの様に全身の張力で緩みを取り、動く。
    最初はコマ送りでサイクリックに。

  ⑥ 肘つき動作を加える

    振り下ろす動作を「折敷き」にし、肘を太腿につけて(固定張力)行く。
    後頭骨と仙骨の関係、ハッキン、L5の位置などを満足できないと
    肩甲骨を自由に寄せて動かし、折敷いて張る事が出来ない。
    相撲の仕切りの動き。 

 基本に戻る

  ① 結論、ハッキンを利かすL5が入る
     など基本が満たせないと「紐がない時」は実現できない。

  ② 紐の掛け方や部位、他の稽古との組み合わせ。
    剣の振り下ろしや白鞘呼吸、体操などに応用して行く。

 患者さんとのセッションの中で

  やって頂く私は勿論のこと、やっているご自身も、紐から癖や変化に
 気付き易い。

  「あやとり」を意識し過ぎたり、紐を引っ張る事に夢中になると取り組み
 の方向性がずれる。

  「呼吸や重力」、体感的には「緩む・伸びて行く」をしっかり押さえながら、
 個々人の特性を見据えた上で誘導すると驚く様な感想や効果を見る。

  個人的に一番難しい点と思うのは「緩み、伸びて行く」こと。

  そこを紐を用いて上手に、固定点や必要な緊張、張りを作る事で、
 「緩み・伸びて行く感覚」を感じる事がネライ。

  愉しく観察しながらその必要十分条件を順に、比較検討して行く。

  紐を用いて「何かを変えよう」とするのではなく、「ね!」とか「あ!」となど
 気付きや感嘆に出会える事が愉しく、変化も大きい気がする。

  その都度、余談を交えながら実生活での場面場面を想像してもらう事を
 大切だと思う。
  買い物かごの持ち方、洗濯物の干し方など…結局、根深く、意識のない
 癖はそこにあって、そこに気持ちを繋げる大切さ感じる。

  結論、基本中の基本(L5とハッキン等)の精度を感じる。そこが使えて、
 初めて本質的な紐呼吸になる。

  「箍感」や「張力感」を通して、仏像や患者さんのバランスを見る時の
 立体的バランスが見易くなる。
  人や仏像の居る「場」の感覚が浮き出て来るのか?
  身体のみならず意識も「(意識)張力」の様に伸びるからか?

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<b> バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂 </b>
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by cute-qp | 2016-05-19 20:30