「ゆうゆうとラッコは行く」

 水泳レッスンの前、ウォーミングアップの様子を良く拝見する様にしています。

 その方の今日の体調や状況、拘りや問題点を観察する為です。

 総じて、キャリアの長い方ほど「泳ごう」とする意識が強く働く気がします。

 「泳ぐのだから当然でしょ」...と思われるかもしれませんが、

 それでも、余分な気持ちや身体の動きが多く、無駄や力みが邪魔になっている感じです。

 それが無くなるだけで、問題の大半は解決します。

 年始1回目のクライアントさんにもその傾向がありました。

 そんな時、ふと、その横のコースで実にユニークな泳ぎで行く方を発見しました。

 後期高齢者位のご婦人で、決して早いとか美しい泳ぎではなく、

 ただただ「ラッコ」みたいなのです。

 決して無理をせず、「リラックスして浮く」ことを中心に、上手く水を進んでおられます。

 面白かったのは、ターンで壁を使わず、プカプカ上手い具合に「Uターン」するし、

 泳いでいる途中で両手で手枕してぼーっと(しかし上手く)漂ったりしていること。

 コースが空いていることが前提のことですが、

 この方は泳ぎ以前に「水の愉しみ方親しみ方」や「ご自身」を良くご存じだと思いました。
 (だから、空いている時間を狙って来ておられるのだと思います)

 お陰で、クライアントさんには、何をお伝えするより、

 まず、この風景を良く目に焼き付けて頂きました。

 そして、説明や注意を最小限にし、

 「様々なバランスと兼ね合い、背浮きする」と題して、

 プルブイを用い、後頭部から尾骨、内股などに様々な条件で置き、練習して頂きました。
 (浮きながら「七段階呼吸法」とも取れる気がしています。)

 バランスが取れなかったり、無理に泳ごうとしたり、力んだりすると、

 プルブイは容赦なく外れますし、泳ぐ軌跡が歪みます。

 これを考える暇なく、次々とやって頂きました。

 自分が思っている自分の現状と実際との差、

 思い込みなどをご自身で発見、気付いて頂くのが趣旨です。

 ご自身で「あっちゃー」と気付いたことは気になるし、直そうと思います。

 するとお仕着せのドリルではなく、自分にあった練習をされる様になります。

 私はその手助けやヒント、次の切り口を用意する愉しみがあります。

 「〇〇泳法」と述べると営業戦略的には良いのですが(笑)、

 その方の頭の蔵書が増えるだけで、実際は「積読」か「畳の水練」

 「顧客満足度」と称して、「知っている・出来ている気にさせる」罪や怖さがあります。

 一般的に、練習と言うと「何らかのスキルを身に付ける」とか「身体を鍛える」方向で、

 「自分を見つめることなく、目的だけが気になる」傾向に陥りがち。

 そこに競技的な「早く・長く」を求める気持ちが重なり、その傾向を色濃くさせます。

 それでは元もこもないと思うのです。

 それ以上に、まず、浮く難しさや出来た時の愉しさを体験して頂きたいです。

 多分、「ラッコ様」が増えることと思います。

 その向こうに泳ぐ本当の愉しみがあると思っています。


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 バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂
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by cute-qp | 2015-01-12 00:00 | バランス運動療法・調整法