「上善如水」

 今日は午後から水泳指導がありました。

 毎回、オファーに際し、ご希望やテーマ(課題)をお伺いし、

 それについて前日までに目一杯イメージして泳ぎ込みます。

 最大公約数的なテーマで、行き着く所は同じでも、山の登り方や感性は人により様々。

 なので、その方を徹底的にイメージし、思いつく限りのアプローチを試してみます。

 しかし、一番大切なのはセッション当日、

 クライアントさんがウォームアップする風景を良く観察すること。

 そこから来る「直観」に従いメニューを勧めること。

 私自身が沢山「実演」することです。


 本日のテーマ ⇓

 「一旦、泳ぐ事を辞める」 
 「頭のバランスの重要性」

 ・ 泳ぐ事を辞め、浮く。

   緊張を解き、リラックスして水とのバランスを感じ、学ぶ。

   a. 自分の経験や経歴
     泳ぐことに対するプライド
     泳ぐテクニック         などを一旦、横に置き、様々な浮き方にチャレンジ。

     自分の「泳ごう!」とする意識が心身の緊張を生んでいることに気付く。

   b. 何故、バランスが悪いか

     身体が緊張している所は「沈んだり」・「進まなかったり」・「アンバランス」になる。

     心が焦ったり、迷ったりするとバランスは崩れ、必死になる。

     クラゲは緊張していない ⇒ 自分の緊張を知ろう。

   c. 浮きや浮遊感、バランス感は親和感覚

     力みは水との対立...水と心身で親和する。

     「諦め」と「任せる」

 ・ 頭のバランス

   減圧され、浮力がかかる環境だからこそ、頭のバランスが大切。

   a. 卵浮きからの「伏し浮き」と「背浮き」

     身体が沈んでも良いので、蹴りや勢いを使わない。
     水に乗ったり、バランスを使う。

   b. プルブイを「竹枕」に見立てて

     プルブイを「浮き」でなく、「竹枕」として使い「伏し浮き」と「背浮き」する。

     ① プルブイを当てる位置
     ② 視線
     ③ 顎と頭
     ④ 頭が水に浸かる深さ(プルブイを押しつける)

     プルブイ枕が安定するとバランスが取れる。

   c. プルブイ枕でバタ足を加える

     下手に進もうとし、力んでバタ足したり、バランスを崩すと枕が外れる。

     枕の外れ方がバランスの崩れ方を物語る。

   d. プルブイ枕を両手枕に変えてみる。

     プルブイ枕で感じた頭の位置や重心感覚を応用し、両手枕でやってみる。

     両手を後頭部に当て、天井を見上げてぼーっとしながら
     軽くバタ足し「漂う」(背浮き)

     両手を後頭部に当て、水底を見下げてぼーっとしながら
     軽くバタ足し「漂う」(伏し浮き)

   e. 頭の位置を決め、同じ事を手足の使い方を変えて行う。

 ⇑ 以上、大略。

 直観に従い、その反応を観て、感じ方や感覚、気づきへのアプローチしてみました。

 降りて来た閃きに自分が驚き、学ぶことも多いです。

 私の実演回数は多いです。

 一般的な練習アプローチと違うので、まず、実演する必要があること。

 丁寧にお見せし、触って頂き、感じて頂くこと。

 そんなことが出来るんだと言うこと。

 見た目ほど簡単じゃないと言うこと。

 閃きを即座に確認し、ブレイクダウンする為...などの理由です。

 この実演が実に難しいです。

 私の拘りが、最もベーシックでシンプルであることに加え、

 陸上と違い、重力の支えがないこと。

 そして、この一挙一動が「最も雄弁、かつ直接的」だからだと思います。

 物凄く緊張しますが、最大にリラックスしないといけない。 

 だからこそ、磨かれるし、伝わるのだと思います。

 最近では、実演を全くしないコーチも多いそうです。

 人材不足で、それを許しているオーナーもオーナーですが、

 それで生徒さんが育たない実情をどう考えているのでしょう?

 最近は補助するポイントも大切にしています。

 クライアントとさんが練習する動的体位で、そのバランス感覚を脳へと感じられる補助。

 いきなり自覚できなくても、これを脳へ響かせ、潜在意識に叩きこんで行く。

 その辺を意識してやっています。

 治療や合気と同じだと思います。

 今回は「一応、泳げる」方でしたので、「プライド」が一番心配でしたが、

 若輩の私のお話を真剣に聞いて下さる度量の大きな方で嬉しかったです。

 プライドでなく、自信(自分を信じられる)を持って頂ける様努力します。


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 この所、呼吸でリラックスすることや、水泳指導を通じ、

 「上善如水」を常に意識して暮らす様になりました。

 それは、身法や心法、生き方の法でもあります。

 生来、気性に火があるので、

 この水のあり方に私は学ぼうと思います。


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 (参考)

 「水泳の個人指導を始めました」
 「新・畳の水練」
 「心身の幅 呼吸の幅」
 「感じる水泳」

 バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂



  「上善」とは、最も理想的な生き方を言い、そう生き方をしたいと願うならば、水のあ
 り方に学べと老子は語ります。

 「水」には3つの特徴があります。

  1つは、その柔軟な性質で、四角な器に入れれば、四角な形になり、丸い器に入れ
 れば、丸くなります。

  器に逆らうことなく形を変える柔軟さです。

  2つ目には、水の低い所へ流れる様から、謙虚な姿で、自分の能力や地位を誇示
 しないあり様です。

  3つ目は、内なる大いなるエネルギーを秘め、緩やかな流れは、人の心を癒す力を
 持っていますし、また速い流れは、硬い岩をも砕く力強い力も持っています。

  この様に、「柔軟」「謙虚」「秘めたるエネルギー」を持った水に学ぶ事が出来れば、
 理想の生き方に近づけるであろうと老子は説くのです。
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by cute-qp | 2014-12-05 00:00 | バランス運動療法・調整法