「刀法・筆法・演奏法」

 「剣術」が「剣道」に変遷した経緯と、

 「書(道)」の変遷が最近、とてもシンクロします。

 安全に稽古する為に開発された「竹刀」や「防具」ですが、

 実際の「刀」の性質や特徴、それに伴う「刀法」が形骸化して行き、

 当てっこ競技になりました。

 同様、中国の「宗・元」時代付近まで、書は「実用的」ものでした。

 今に残る手本の多くは「手紙」や「日記」などの伝達、記録的なものです。

 それが「明」辺りから「作品(掛け軸・衝立など)」になって行きます。

 それに伴い、文字の大きさや表現、筆の質、筆法が変化してしまいました。

 勿論、表現は「自由」ですが、文字がどんどん「蛇足」・「形骸化」して行きます。

 「緩みを取り続ける」筆法から「竹刀」で叩きつける様なものになったのです。

 最近の流行の書に至っては「絵」や「看板字」の様です。

 それに気づいた時、深いため息になりました。

 書では、羊毛の長い毛の筆を叩く様に使い、

 手本にしている書がありながら、文字だけ同じで筆法が異なる手本を与えられました。

 剣では、刀法ではなく、流派の「道具(防具)」をメインに使うことになり、

 成長システムより、型の伝承を優先されました。

 共に、大家がそれを良しとし、その世界観が常識(刷り込み)となっています。

 結果、そこはかとない違和感とその原因が何か分からず悩み続けました。

 ようやく、呪縛が解けた感じです。
 

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 先月、浦川先生のトーク&コンサートに行きました。

 先生のバロックのCDを聴く機会があり、その正確無比な音程と美しい音色、

 どこまでも響き渡るビブラートに感動し、是非、生で演奏を聞きたいと思っていました。

 そして、観てびっくり・・・なんじゃこの素晴らしいボーイング(弓使い)!

 こんなボーイングを見たのは初めてでした。

 剣で言うなら「刃筋」と「嶺谷」が全くぶれず、力みがありません。

 また、筆もボウも「毛」を用いるので「緩みの取り方」が非常に参考になりました。

 ビブラートも全く無駄が全くない。

 弦を押さえると表現しますが、本当に指で押さえたら「音」にすらなりません。

 後、チューニングの精度が凄かったのに驚嘆!

 とても貴重な経験になったことは言うまでもありません!


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 昨夜、久々に「太極棒」を使ってみた訳ですが、

 この所、真剣や筆、バイオリンでの稽古ばかりしてきたせいか?

 緩みが取り難く、全くしっくり来ないので、動けませんでした。

 その意味で、昨夜、K野先生工夫の道具は、私的には「ボウ」の様で、優れモノでした。

 合わせ構造になっている所で、

 「ダウンボウ(吐く)」と「アップボウ(吸う)」(双方向性)、

 刀の刃やその形状、引き切り(緩みを取る)、立替(体軸変換のズレ方)、

 「搦」などの感覚が分かり易い。

 何よりマンション生活でもハンディーに稽古出来るサイズ!

 これで 各位がI尻君公案の七刀などを参考に、自分で工夫出来るかと思いました。

 七刀は「切り落とし」と「和ト」、「猿廻」をベースにしている所がなかなかですね。

 自分なりの工夫を加え、使わせて頂いています。


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 昨夜の稽古を通して思っていたのは、

 結局「刀法」と「置かれた状況」の関係性に尽きると言うこと。

 その意味で「九箇(くか)」を興味深く見ています。

 必 勝 (ひっしょう)
 逆 風 (ぎゃくふう)
 十太刀 (とだち)
 和 ト  (かぼく)
 睫 径 (しょうけい)
 小 詰 (こづめ)
 大 詰 (おおづめ)
 八重垣 (やえがき)

 ⇑ 以上、K野先生ともお話していたのですが、最期の「村雲」を除き、

 この内容の芯を抽出すれば、新しい道具の遊び方になると思いました。

 上泉伊勢守が諸流を学び、特に、引用して来た太刀と言うのも納得。

 ちなみに、観ていただけですが、本伝は非常にシンプルで、瞬間終わります(笑)。

 「え!それで良いんだ」と思いましたが、そうでなきゃ「刀」は実際使えませんね。 


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 バランス☆運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂
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by cute-qp | 2014-10-05 14:00