「やりたくなるように心を誘うこと」

 野口晴哉著「潜在意識教育」より引用・掲載致します↓

 潜在意識教育の基本

 人間の体に実際に関係し影響するのは、潜在意識の作用である。「あら、恥ずかしい」
と意識して二十回言っても顔は赤くならないけれども、本当に恥ずかしければ、口では
「恥ずかしくない」と言っても顔は赤くなってくる。顔色が蒼くなっていれば、「怖いことは
ない」と言ってもそれは怖かったのである。釣り橋を渡るのに、怖くないと言っても手足が
すくんでいたら、それは怖かったのである。すくまなかったら、口でいくら「怖い、怖い」と
叫んでも、それは怖いのではない。

 意識でどう言おうとどう考えようと、実際に体に働きかけるのは、意識ではなくて、意識
しない心、つまり潜在意識的な心である。そこで私は、潜在意識の方向を指示するという
意味で、潜在意識教育ということを言い出したのである。ですから、意識的な心、意識的
な心構えというものを目標にしているのではない。

 人間は何かやりたくなると力が湧いてくる。凧を揚げたくなれば、冷たい風も気にならな
い。山登りをしたいという心がある限り重い荷物も気にならない。しかし持だされた荷物だ
ったら重くてしようがない。何でもやりたくなってやれば力が出てくる。そのやりたくなるの
も、頭でやろうとしたのは駄目であって、潜在意識の中でやりたくなると力が湧いてくるの
である。だからひょっこり褒められたら疲れが抜けたというのは、その人が褒められた言
葉を意識だけで受けとめたのではないからで、それが潜在意識の中に入った場合にそう
いう力が出てくる。それが潜在意識に入らないと、ただ褒められたと思うだけで、疲れは
少しも抜けない。

 そこで潜在意識の中に、無意識に何かそうしたくなるような心を喚び起こし、そのように
させてゆくということが潜在意識教育の根本であって、これは子供を育てるためだけでは
なくて、すべての年齢の人を通して必要なことである。子供でも大人でも体に直接関係の
あることはすべて潜在意識の作用であり、その行為を体が健康になる方向に向けてやら
せようとする場合には、まずやりたくなる心を誘うことが根本である。

 叱言を言ったすぐ後で、「何故言われたようにしないのだ」と叱る人がいるが、それは間
違っている。肥料をやっても、それが吸収されて成長を促すのには時間がかかる。種子
を蒔いても、実が成るのには時間が必要である。そのように、叱言が実を結ぶのにも時間
がかかる。

 だから叱言を言って、子供の心がそうしたくなるようになって、それからやるというのが
本当であって、叱言を言われてすぐにその通りやるというのは、叱事防ぎの用心に過ぎ
ない。子供はそういう用心を憶えるだけで、叱言の意味は分かっていない。叱言はもっと
心に吸収させて、無意識の中にやりたくなる心を育て、その結果そういう方向に自発的に
効くようにさせることが入事であって、すぐに効果を期待するという親の叱り方は間違って
いる。もっと植物の種子を蒔くようなつもりでやらなければならない。 

 バランス運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂
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by cute-qp | 2012-03-03 00:00