「秋を奏でる」

 早朝、笛の音程が上がらない。

 どうも寒いと人間同様、竹も温まる(動きだす)まで気分が「ロー」の様だ。

 「ロングトーン」や「音取(ねとり)」で響きを出して行く。

 乾燥にも弱い。

 春の異常乾燥や夏の高温で、自然にひびが入ることもあるらしい。

 コンディションを見て、椿油をひく。

 じぶんを映す「鏡」だからこそ、

 良く映す「鏡」で、「自然」なものほど手入れが必要。

 常に、行う。

 結構、面白い。

 「道具の手入れ」が、「じぶんの手入れ」に繋がる感がある。

 季節が「秋」になり、あえて「壱越(いちこつ)調」から「平(ひょう)調」に課題をシフトさせる。

 コチラの図をご覧あれ↓
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 「平調」は「秋」に属する。

 雅楽は単純な曲で、決まりのフレーズも多い。

 しかし、沢山、吹き込んで行くと、平調が「秋」に合うことが肌で分かる。

 「同じフレーズ」の「同じド」でも「色合い」が微妙に違う。

 ずばり「秋のド」がある。

 それが出せるシンプルな構造になっている。

 「表現力が豊か」であり、「アンバランス」。

 そこを奏者が押し引きする。

 「バランス運動療法」にぴったり。 

 曲は「新羅陵王急」から「皇麞急(おうじょうのきゅう)」を経て、「三台塩急(さんだいえんのきゅう)」へ。
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 バランス運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂



 「皇麞急」

  別名「海老葛(えびかずら)」。「黄麞」と書くこともあり。

  楽曲形態は〈遊声〉〈序〉〈破〉〈急〉から成っていたが、〈遊声〉と〈序〉は平安末期には早くも
 失われ、後に舞も廃絶。

  〈破〉と〈急〉だけが現存しており、〈急〉以外はほとんど演奏の機会もない。

  祝賀の際に奏舞されることが多く、また「おうじょう」の音が「往生」に通じることから仏事でも
 用いられた。

  「平家物語」や「吾妻鏡」には、捕虜となって鎌倉に護送された平重衡が「往生の急」と洒落
 て横笛で皇麞急を奏でた逸話が収められている。

 「三台塩」 

  別名「天寿楽」。

  中国唐の則天武后の作。張文成という才能のある者が「遊仙窟」という恋愛小説を書き
 武后に献上したところ、武后は大変喜び、その本の内容を曲にあらわしたという。
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by cute-qp | 2011-11-12 00:00 | 温故知新