「息」の「つめ」と「ひらき」

 「仕舞」を始めるに当たり、毎回必ず「謡」の練習をします。

 まだ「入門者」の私は、当初、「踊り」をやりたかった分、限られた時間を「謡」に割かれ
るのに内心、ちょっと惜しい気がしていました。

 でも、せっかくの機会を頂いたのだから「しきたり」に従い、「能」のノリや雰囲気を感じ
たり、M橋さんに学んだ発声の「東洋版」を学ぶつもりで、「謡」も頑張ってみる事にしました。

 ところが色々気付いて行く内に、これは舞手にとって「呼吸法」の練習で「大基本」だと
身に染みて良く分かり、自分の不心得を誠に恥ずかしく思いました。

 実際、色々な意味、御意見もあるのでしょうが、個人的には「謡」が出来なければ多分、
まともに動けない様に感じています。

 そう言えば、観世寿夫さんは「謡」で「内臓を動かさない呼吸法」を練ると仰っておられま
す。

 私の推測では、これは「横隔膜呼吸」と「保息」の関係性を指し、「息をつめひらき」で自分
の内側から湧き立ち起こる「呼吸力」を練るのだと思います。

 「保息」し、無限に上下前後左右に引っ張られ、「静止(留まって)」していた状態を「息を
つめ・ひらき」する事で「ハコビ」は前方へ「サシコミ」となり、後方へ「ヒラキ」、「左右」と
展開する。

 「ハコビ」の「その一歩」は「呼吸」による「その一か所」への「位置づけ」に総てが掛って
いる。

 「呼吸」による「意識と動きの集約と開放」、「センタリング」と呼べるかもしれません。

 「能舞台」に立ってみて思うのは、柔らかい表現でも猛烈な集中力で「息をつめひらき」し続
けなければ、とてもそこに立っていられない事。

 その修練の末に、「ふわっ」佇む事が出来るのだろうと思います。

 そう思いますと私の「呼吸力」の認識はとても浅かったし、余りにも拙い。

 現在、セミナーなどを通じ、自らの心身を「呼吸」を通じて見詰めたり、動かす事をお話して
おりますが、私も一層の努力を重ねたいと思います。

 バランス運動療法(Balance Movement Therapy) 春風堂

(参考)
 「歩行の芸術 ~先ず、足元から~」
 「保息」は「生き(息)方の妙」
 「息」そのものになる
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by cute-qp | 2011-01-05 00:00 | バランス運動療法・調整法