好奇心・工夫は可能性を広げる ~シュリーマンの語学習得法~

 お陰様で、「セッション」や「ブログ」を通じ、「自己管理」や「自己啓発」に関する様々なお話
をさせて頂いております。
 とは言え...恥ずかしながら、「大人」になり、「社会」に出て、初めて「勉強」の「大切さ」や
「愉しさ」に気付いた春風堂です(笑)。

 しかしながら、気付いた頃には「記憶力」や「集中力」、「体力」が落ち、勉強に割ける「時間」
もついつい「言い訳」しながら過ぎて行く始末。

 流石に「これじゃいけない!」と言う気持ちと自分の「お仕事」と「楽しみ」が日々の「自己管
理」の「質」に左右される事、「好奇心」だけはまだまだ旺盛であったので、その後、色々、工
夫する様になりました(笑)。
 
 今日は、以前、"出来る"ことは"感じた"分だけでご紹介した「トマティス・メソッド」や「速聴
・速読」に加え、私が参考にしている「シュリーマンの語学習得法」をご紹介致します。

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 ハインリッヒ・シュリーマン(1822-1890)と言えば「トロイ」などエーゲ文明の遺跡を発掘
した事で有名な方ですが、実は、ドイツの一寒村に牧師の子として生れ、貧困の中から商人
として巨万の富を築いた方なのです。

 彼はいかにして、巨万の富を築くのを可能にできたのか?...それは彼の類まれなる「語学
力」にありました。
 10数カ国語を自由自在に駆使し、他の商人よりいち早く情報を把握してビジネス・チャンス
を次々に掴んで富を築いて行ったのです。

 しかしながら、「記憶力」はからっきしだったそうで(笑)・・・では、そこをどう解決したのか?
...春風堂が彼に興味を持った切っ掛けでした。

 そこで今回は彼の語学習得法の秘密に焦点を当てみます。

 彼の勉強法は、「古代への情熱」(岩波文庫)第1章に以下の様に述べられています。

 (1) 非常に多く音読すること。
 (2) 決して翻訳しないこと。
 (3) 毎日1時間あてること。
 (4) つねに興味ある対象について作文を書くこと。
 (5) これを教師の指導によって訂正すること。
 (6) 前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦すること。

 彼はさらに、会話をものにするために、その外国語が話されている教会にかよって説教を
聴き、一語一語を口真似するということもやったと言います。

 また、シュリーマンの学習法は、物語を丸暗記するという特徴的な方法を取っています。

 物語を丸暗記する方法は、ストーリーがあるので記憶に残りやすく、文章を丸々憶えるの
で熟語やコミュニケーションなどの言いまわしがそのまま身につきます。

 この方法で彼は英語を僅か半年でマスターしました。

 フランス語もこの同じ方法で半年でマスターし、続いてオランダ語、スペイン語、イタリア語
、ポルトガル語を流暢に話し書くことができるのにそれぞれ6週間以上かからなかったそうで
す。

 ここまではよく世間に知られていることでですが、ルートヴィッヒの本は、その語学習得法
の秘密のベールの深奥をさらに垣間見せてくれるまたとない良書です。

 ルートヴィッヒは、遺品として残されているシュリーマンの語学学習ノートなどを詳細に研究
し、こう述べています。

 「彼は自分の選んだ多くの単語をふくむ長い単語帳と、これらの単語を使った一連の文章を
、一枚の紙のうえに教師に書いてもらい、一字一字、文字をまねながら全体を書き写し、それ
を暗記する。

 ついで彼は他の単語をふくむ二枚めの表を作製してもらい、一枚めの表を手本にして、新し
い単語をつくったり文章を構成したり、他の文章と組みあわすことを試み、それを教師に訂正
してもらう。
 こうして彼は辞書を使いながらきわめて急速に、自分の語彙をふやし、ついにその文章が
いよいよ長くかつ複雑となるまで、それをつづけてゆくのである」

 ギリシャ語の学習では、

 「これらのノートに書かれている文字は、しだいに達筆となり、新しい単語が出てくると、彼は
フランス語やその他のことばで見出しをつけている。…この練習帳では小学校の生徒にかえ
ったように、抹殺したり、インクのしみをつけたりしている。しかもその間に、先生の筆跡で訂
正の筆がはいっている…」(本書 P76)

 このギリシャ語の練習帳に書かれたシュリーマン自身の文章を少し引用すると、

 「そのあと、…わたしはどうしたら内陸へ行けるか、どうしたら金持ちになって土地を買い、
えらい人になれるかを考えた。」

 「わたしとタバコの取引をやる気はありませんか。ロシアでも、大きいタバコ農場をつくらな
いものだろうか。ロシア政府は便宜を与えないだろうか?」

 「わたしは、じぶんが貪欲なことを知っている。…こんなにまでがつがつしている事を止め
ねばならぬ。…戦争中ずっと、わたしは金のことばかり考えていた。」

 この文から読み取れるのは、彼がまず記憶しなければならぬ単語や熟語を選定し、それ
らを含ませて、過去の自分の体験や自分が心からやってみたい事などに結び付けて文章
化し、それを教師にチェックさせて正しいものとし、記憶するという方法を採用しているところ
です。

 現在の学習法では、重要な単語・熟語を含んでいますが、自分とは一切関係ない短文を
機械的に記憶してゆくのが一般的です。
 しかし、シュリーマンは、「夢のような連想力」を働かせながら「記憶」して行った事が良く分
かります。

 シュリーマンの語学学習法は、同一の物語を素材にして多言語にわたる学習することは、
自分に切実なこと密接なことを文章化して暗記し、その文章をつなげて行く事で長文も書け
るようにすること、ネイティブの発音を徹底的に模倣すること、といったことに集約できそう
です。

 この様な方法をシュリーマンは、100年前に実行しているのですね。凄い!

 あくまで、皆様全員に使える方法?」とは申しませんが、自分なりに「応用」出来る「ヒント」
となるのでは?と考える春風堂です。

 ちなみに、シュリーマンは、幕末の江戸や横浜にもやって来ており、当時の日本の風景・
日本人観などを実に冷静に観察しています(シュリーマン旅行記:清国・日本)。
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by cute-qp | 2009-03-20 00:00 | 温故知新