身体の"響き"を観る ~ツボの取り方 ④~

 昨夜に引き続き、増永静人先生 著 「経絡と指圧」より引用・掲載致します↓。

 正しくツポをとらえているか杏かを判断するのは、指圧した指を相手が局部的に感じる
か、深部にヒビクものとして感じるかで見分けられる。

 ツボをおさえている側の感覚としては、その点の性状(硬軟、コリ、抵抗、弾力性)を指
先に感じるか、あるいは手から腕、あるいは肩の方まで何かヒビクものを感じるかで分
ける。
 前者は触覚であり、後者がツボをとらえているのである。一点ではこの差を判別しに
くいので、あるツポをおさえたら、もう一方の指で同じ経絡のツポ(はじめになるべく近接
したほうがよい)を同様におさえる。
 この二点が、二点と感じたらそのおさえ方はツボの上を押しているので、ツボにはまっ
ていないのである。
 二点をおさえているにもかかわらず、それが二点ではなくて、その周囲にひろがった
面のヒビキのように感じられたとき、それが正しくツボにはまっている証拠である。
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 術者自身もこの両手の指の間にある流れを感じることができる。持と指との間にはもち
ろん感じを受取る何物も存在していないのであるが、しかしそこに伝わっているものを
実感できるのである。

 心理学の実験で、ニ点の光を継時的に点滅すると、一方から他方へ光が移動するよ
うにみえる。フィルムの一コマと一コマは静止した像であるが、それを継時的に写して
ゆくことで動きとして見えるのが映画の原理である。
 これと同じように、経絡のヒビキはおさえられている側だけでなく、おさえている者にも
流れとして感じられるのである。

 ニ点が別々に感じられるような押し方は、指先にカを入れて筋強縮による錘体路系の
筋運動が行われている。
 おされる側の皮膚も交感緊張し筋肉は抵抗するので、皮膚はつっぱって引張られ、
周囲の筋も固くなって盛り上っているはずである。

 これに反して、二点が全く一つの面のヒビキの中に埋没しているようなおさえ方は、指
先がやわらかく、肘の方にカが入り、錐体外路系の大筋群の動きが主になって腕全体
が筋トーヌス状態にある。ちようど両足で立っているときのように、決してりきんでいない
自然の姿勢のような感じである。
 したがっておされている皮膚もリラックスしてこれを受け入れ、筋の抵抗もないので、
指先はラクラクと深部のツボの底に達しているのである。

 千利休が茶道百首に「茶筅をば手先でふると思うなよ、肘から振れよ、それが秘事なり」
と示している。手先にカが入っては自然な動きにならぬことを教えているのだが、私はこ
れを「指圧とは手先でおすと思うなよ、肘からおせよ、それが秘事なり」と賛歌にして教え
ている。

 押すのでなく、自分を支えるのだ、歩くときは決して足先で地面を押してはいない、足ウ
ラに大地をふまえて自分を支えているから、安定した動きができるのである。
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by cute-qp | 2009-03-12 00:00 | 温故知新