"バランス感覚”としての"虚実" (2)

 昨日に引き続き増永先生の「指圧」より引用させて頂きます↓

経路診断

 虚実補瀉は、湯液家のような認識の仕方でも、また直観的な型でも差支えないのですが
、古来からの経路診断によるのが最も理論的で、病態の把握も的確にできるので、指圧の
場合はこの方法が一番よいと思います。

 カイロプラクテックやオステオパシーのように骨格偏重でなく、病名治療のように症状に
捉われず、経路という全身機能の歪みから病気を治してゆく真の円環思考が、手技の経
路治療から得られます。

 指圧の場合の経路診断は、必ず二経の虚実を選んでこれに補瀉を行うようにします。

 鍼灸のような瀉法では一経の虚実だけでも治療ができますが、これは元来手技が補の
働きで補うからよいのです。

 また手技の選ぶ二経は、同じ五行六種の臓腑を共に虚実としてとりません。全体の虚
実の歪みを治すためには効果が少いからです。
 むしろ同系の臓腑のどちらかが虚か実であれば、もう一方も必ず、他の経路とくらべて
みれば同じ虚実になっていますから、断定の目安として比較することです。

 「虚に虚実あり、実に虚実あり」といいますから、同行の臓腑を比較すれば、どちらか一
方がより虚している、またはより実しています。
 虚の虚をとり、実の実をとって補瀉した方が、やはり矯正のために効果的ですから、よ
り精密な診断が下せるほど、治療技術も向上してくることになります。

 虚実という歪みは二経に限ったことでなく、病は全身病ですから、すべての経に多少と
も虚実がみられるでしょうが、この中で最も歪みの著しい二経をとりあげて、補瀉を重点
的に行えば、他の小さい歪みは全身的な大きい歪みの矯正によって自然と治ってゆくも
のです。

 補瀉を行って治効がなかったときは技術が拙かったというより、虚実の診断が正しくな
かったと考えるべきです。

 漢方の証というのは,この治療法で治るという確信によって得られたものですから、治
らなかったら証が正しくとられなかったとみることができます。
b0159328_16303348.jpg

 著者が経路診断を実際に患者に適用した臨床上の所見をまとめると、次のような症状
のあることがわかり、またそのような症状のあるときは、その経絡の虚実を補瀉すればよ
いわけです。

(参考)
 "バランス感覚"としての"ニ点圧迫"
 野口三千三先生語録
 筋肉は「感覚系」?!
[PR]
by cute-qp | 2009-02-16 00:00 | 温故知新