「書」を振り返る

 以前、"書"のイメージと"呼吸"・"バランス"についてお話致しましたので、その続きなど。

 使用しているのはこんな筆です↓
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 小さい画像で分かり難くく恐縮ですが、皆さんが身近にお使いになる日本の筆と異なり、
毛の長さが長く、筆先もご覧の様に乾燥している時はバサッとしています。

 従いまして、手の内をきっちり決めないと墨を含んだ筆に「コシ」が入らずフニュフニャ
になって線ひとつ書けません(勿論、「鉛筆持ち」では無理です)。

 ここに、「条幅」(大体、襖一枚分の大きさの紙とお考え下さい)を用いた場合、これも中国
製のものを使用しておりましたので、泥の混じった少々厚手の素材には「ざらつき」があり、
墨の染み込み方が半端ではなくて随分苦労致しました。

 話を戻しまして...次に「筆の持ち方」について。

 コチラは一般的な書道での持ち方です(左は「単鉤法(たんく)・右「双鉤法(そうく)」)。
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 しかしながら、先程申し上げた様な状況で、私としてはこの方法ではとても書けません
でした。

 そこで、ちょっと自分の手を写してみました。

 どちらかと言えば「撥鐙法」や「三指執筆法」に近い気がします。

 ただ、書くもののサイズや書く字、書体、筆法等により筆の持ち方は変わりますの
で、一概に「単鉤法」や「双鉤法」がダメと言う事ではありません(ただ、引用しました
写真の親指と腕全体は気に入りませんが)。

 必然的に、腕の構えは「懸腕法(けんわんほう)」...腕を紙面や机に密着させない構
えで、脇を開いて、肘や肩の力を抜いて「手や腕を"懸け"」自由自在に筆が使える様
にした構えです。

 この状態で、畳に毛氈を引いて片膝をつき、しゃがんで「居合い腰」に近い形で書い
て行きます(しゃがむが苦手な私としては最初かなり苦労しました)。

 従いまして、腕で字を書くと言うよりは「体で字を書く」感覚になります。

 上手い人の筆法を見ますと、筆の柄の先にも毛があるとして、その部分が天井に自
分が書いているより大きな字を表現している感じになります。

 ちなみに、私が好きで臨書していたのが「懐素」のお手本です↓。
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                       懐素「自叙帖」
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                       懐素「苦筍帖」

 正直、「高望み」、「高値の花」、「分を越えた」お手本でしたが(笑)、「狂草」と呼ばれる
草書の中でも奔放な書体がとにかく大好きでした。

 現在は治療の勉強やなにかで筆を取る機会もめっきり減りましたが、最近、自分の
志向(嗜好)性が日本風の「狂草」?...「かな」と感じた事もあり、「書」ではそちらの方面
を勉強しようか?と思っています。

 ちなみに「かな」は筆を寝かせ、提腕方(ていわんほう)で紙に叩く様な筆法を用い
ます。

 下記は敬愛致しております熊谷恒子先生と作品(「うまやど」)です↓
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 コチラは→「奈良市杉岡華邨書道美術館」
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by cute-qp | 2009-02-08 00:00 | 温故知新